イタリア留学における、ビザの取得方法

ついに来ました、ビザの取り方について説明していきます。
皆さんもご存知かと思いますが、かなり複雑かつ疑問だらけのシステムになっています。
申請には予約が必要ですので、「一週間前のもの」などの指定がある、予約日が確定してからしか用意できない書類もいくつかあります。
ビザの申請予約は出発の3ヶ月前から可能です。(コロナ後は1ヶ月半前からのこともあります。実際私もそうでした。)
このビザ申請は絶対に不快な思いをするようにできていますので、ビザ発行までなんとか耐えてください。


 必要書類

必要な書類は全部で12です。(※パスポートの返却が郵送の場合、封筒を持って行く必要があるなどの指示があります。私の場合575円分の切手を張った定型封筒を持ってくるよう指示がありました。)
申請日が決まる前に用意できるものとそうでないものがあるので、項目ごとに記載しています。
チェックリストが領事館のホームページに掲載されています。(とりあえず印刷してください。提出する必要はありません。)

●  長期(91日以上)Dタイプのビザ申請用紙 1枚記入例はこちら
・申請日が決まる前に用意できます。

●  近影カラー証明写真 パスポート用写真35 x 45 mm/背景は白) 1枚
※上記の用紙に貼り付けます。
・これも事前に用意できますね。

●  パスポート
申請日が決まる前に用意しておかなければなりません。

●  パスポートのメインページのコピー 1枚
・申請日が決まる前に用意できます。

●  1週間以内に取得したの住民票 1枚
・申請日が決まってからでないと用意できません。

●  戸籍謄本 1揃い東京領事館のリストには記載されていませんが、一応用意しましょう)
・申請日が決まる前に用意できます。

●  イタリアでの滞在先住所の書類 1揃い
・申請日が決まる前に用意しておかなければなりません。学校から送られてきます。

●  留学資金の入っている銀行口座通帳の原本そのコピー
・留学資金は事前に用意しなければなりませんが、通帳の記帳とコピーは申請日が決まってからでないと用意できません。

●  入学許可書の原本とそのコピー
・申請日が決まる前に用意しておかなければなりません。学校から送られてきます。

●  教育監督局が発行する、その学校がきちんとした教育機関として認可されていることがわかる書類
・申請日が決まる前に用意しておかなければなりません。学校から送られてきます。

●  学校への支払いが完了していることを証明する領収証のような書類
・申請日が決まる前に用意しておかなければなりません。学校から送られてきます。

●  海外傷害保険の契約書の原本そのコピー
・申請日が決まる前に用意しておかなければなりません。


それぞれ細かく説明していきます。
初めに言っておきますが、申請に関してエージェントが代わりにやってくれるというようなことはありません。
サポートがどうのと謳っていますが、全て自分で行う必要があるので、心してかかりましょう。
愛知県以西の西日本に住んでいる方は大阪事館に行くことになりますが、この領事館がまたとんでもないところなわけです。

 ビザ申請用紙

用紙は領事館のページでダウンロードできます。※おそらく大阪も東京も同じものかと思います。
不完全な記入例がエージェントのページに上がっていますが、ここで完全版を置いておきますので、活用してください。
申請書見本

問題がないか確認してから領事館の見本も添付したいと思います。
これはなんと現地にしか置いておらず、領事館のホームページには存在しません。
こういうの掲載していれば領事館も余計な仕事せずに済むのになあと思ってしまいます。

 近影カラー証明写真

とりあえずサイズパスポート用写真35 x 45 mm/背景は白)さえあっていれば細かいことは言われないので、私は自分でアイフォンで撮って家のプリンタで写真紙に印刷しました。(国際免許は背景の影や髪型などに規定があり結構細かいので注意して下さい。)
この写真は滞在許可の申請にも必要なので、全部で5枚以上用意しましょう。
証明写真の機械はイタリアにもあるので、滞在許可証のぶんは最悪現地で用意できますが、嵩張らないのであらかじめ用紙しておきましょう。
合わせて、国際免許の申請にも写真が必要なので(※縦5cm×横4cm)、写真は多めにあって困ることはありません。

 パスポート

領事館のリストによれば、「帰国予定日より3ヶ月以上の有効期間と未使用のページが2ページ 以上残っているもの」とありますので、有効期限に注意しましょう。

 パスポートのメインページのコピー

上記のパスポートのメインページのコピーになりますが、メインページというのは2ページ目の顔写真が印刷されているところです。
白黒で問題ありませんが、綺麗に印刷しましょう。
コンビニで印刷する場合、絶対に取り忘れないように。

 住民票

一週間以内という指定があるので、当日や前日にコンビニで取得しましょう。(※コンビニでの公的書類の取得にはマイナンバーカードが必要です。)
特に指定はないですが、全部記載のもので問題ありません。

 戸籍謄本

ちょっと厄介なのがこの戸籍謄本です。
東京領事館のリストには記載がありません。
が、結局必要がなかった場合でもそこまで高価なものではありませんので、私としては取得しておくことをお勧めします。
厄介な点として、コンビニで取得できない地域に本籍地がある場合、郵送でしか取り寄せられないということがあります。
さらに、自治体ごとに方法や金額が異なりますので、それぞれ確認が必要になります。
まずはコンビニに行って戸籍謄本を取得してみてください。対象地域でない場合、郵送で取り寄せましょう。
私は何故か本籍地と出身地が違ううえ、本籍地はど田舎なのでコンビニの対象外であったため、郵送で取り寄せることになりました。
私は家族全員分の戸籍情報が記載されたものを用意しました。ホッチキスはそのままで問題ありません。

 滞在先の書類

これもどれがどれなのか分かりにくく、エージェントの説明も無かったのを覚えています。
規定フォーマットの入居証明書3枚、大家さんの身分証明書1枚の4枚ですが、 学校から送られてきます。
実際にこの書類の住所に住むわけではなく、単に申請を通すためだけの書類になります。必ずコピーを取りましょう。
※この実際の住所ではないということについては言及しないでください。
詳しくは滞在先の記事をご覧ください。

 通帳の原本そのコピー

経済的に留学が可能かどうかを判断するために必要です。
領事館のホームページでは分かりにくいですが、安定した収入状況を示すため、給料の受け取り口座の通帳であることが望ましいです。
これは申請日一週間前〜当日に記帳して印刷してください。

私もそうでしたが、受け取り口座と予算の口座が違ったり、現金で貯金していた場合などは注意が必要です。
理由は不明ですが、いきなりドンッと大金が入った通帳では申請が通らない可能性があるらしく、そういう場合は、給与明細一年分を用意しておくと安心です。
私の場合は結局提出を求められませんでしたが、今から留学を検討する方は毎月の給与明細を置いておきましょう。
収入証明書でもいいのかと思い用意していましたが、結局使いませんでした。不安な方はコンビニですぐに取得できますので、念の為住民票と一緒に発行しておくといいかと思います。
いくら以上かは指定がなく、どの程度用意しなければならないかは曖昧ですが、私は300万円入った状態で申請に行きました。
ビザ申請は出発3ヶ月前から可能なことを考えると、ある程度予算がまとまって入っている状態が望ましいですね。
よく言われている、「月10万円として、一年の留学なら120万円以上」というものですが、一年間の留学が120万円でできるかはまた別のお話です。⇨予算についてはこちら。
なので、120万円と言わず用意できる限界をぶち込んで申請に臨みましょう。
120万円あれば申請は通るかと思いますが、この時点で120万円が用意できない場合は、留学の計画自体に問題がある可能性があるため、本当に予算が足りているか再確認してください。

もう一点注意すべき点は、予算をネットバンクに貯めている場合です。
ネットバンクには通帳が存在しないため、それぞれのサポートセンターに連絡して過去半年分の出入金の記録、残高証明書の原本を用意する必要があります。
この時、滞在許可証の申請に必要な英文の残高証明書も合わせて請求してください。⇨滞在許可証についてはこちら。
そしてもう一点、この場合だと申請日の一週間前〜当日に印刷することができません。
この場合は最短の日付で問題ありません。(領事館確認済み)
この残高証明の請求には一週間程度かかりますので、申請日の一週間以上前に請求してください。少しくらい早く到着しても間に合わないよりいいので、早めにサポートセンターに問い合わせるようにしましょう。

親御さんが資金提供する場合は異なるようで、領事館のホームページには「所定の保証書、実印登録証明書、資金の入っている保証人名義の銀行口 座 (過去6ヶ月にわたり安定した資産状況が確認できるもの)の通帳とそのコピー、およびパスポート のコピー」 と記載があります。
※所定の保証書について確認中です。

 海外傷害保険の契約書の原本そのコピー

保険料を支払った後すぐに書類が送られてきます。⇨詳しくは保険についてを確認してください。
送られてくる書類は、
・cretificato di iscrizione
海外旅行保険契約内容
海外旅行保険契約証(兼保健領収証)
保険の冊子
の4種類ですが、申請時に必要な書類は「cretificato di iscrizione」、「海外旅行保険契約証(兼保健領収証)になります。
申請時に、海外旅行保険契約証(兼保健領収証)にサイン、ハンコが押されて返却されるので大事に保管してください。滞在許可証の申請に必要です。

 申請料について

領事館も含め、申請料が必要という記載があるサイトもありますが、これについて詳しく書かれたサイトは存在しません。
実際に私のビザの申請にいくらかかったかというと、0円です。
じゃああのリストはなんだったのかと思ってしまいますが、結果オーライですね。
領事館は対応や規定がコロコロ変わることで有名なので、一応数千円〜1万円くらいは持っておいたほうがいいかもしれません。
予約日のメールする際に質問してみましょう。 

 書類が揃ったら

この厄介な書類を全て集めたらついに申請日の予約をしましょう。
大阪領事館
東京領事館
それぞれのホームページから予約の申請を行います。
大阪領事館での予約しか経験がありませんので、東京の場合とは少し違う可能性があります。

ホームページ上で予約ができそうな雰囲気ですが、コロナの問題が出てきて以来ネット上では予約ができません。
ここからビザ課にメールをする必要があります。
メールには、
・〇月○日に留学を予定していること。(3ヶ月前でないと怒られる可能性があります。
・現在ビザの予約は可能か聞きたいということ。
を記入してください。

おそらく24時間以内に返信がきます。
ビザの申請が可能かつ出発3ヶ月前であれば、希望日を聞かれることと思います。
第三希望までの希望を聞かれます(平日)ので、希望日を伝えましょう。
土日はやっていない上に早い時間に窓口が閉まるので、お仕事がある場合は休みを取る必要があります。
ほとんどの場合午前中になるかと思うので、遠方からお越しの際は前乗りするか始発で来なければならない場合もあるかもしれません。
やり取りに不備がなく、うまくいけば嫌な思いをせずスムーズに予約日を伝えてくれるはずです。

※申請日の予約は必ず書類が揃ってからにしましょう。

エージェントによっては、書類が集まる前に、先に予約をさせてくる場合もありますが、書類が届かない、または不備を確認することができない(書類が足りない等)ということも十分にありますので、必ず書類を先に全て集めてから予約を行ってください。

書類が足りているか、見直しを5回くらいしてください。
チェックリストの順番に並べておくことをお勧めします。※理由は後述します。

 申請日当日

申請日当日、数分前に待合室に入るようにしてください。
大阪の場合、中之島フェスティバルタワーの17階、エレベーターから出てすぐ左、ドアが開いているはずなのでそこが領事館です。

領事館に入ったら、刑務所のような雰囲気の机と椅子があります。
まず初めに言っておきたいことは、なぜかここでは日本の常識が通用しないということです。
メールの時点で違和感があった方も多いかと思いますが、ここの受付の女性の評判がめちゃくちゃ悪いんです。
基本的に冷たいというか、悲しくなるようなそっけなさです。
日によって違うこともあるらしいので、そんなことなかった、という方もいるかと思います。
私はエージェントの方が対応に難ありだと感じたのでそこまで不愉快な思いはしませんでしたが、なんにせよ、絶対にキレたり、文句を言わないでください。とにかく下から下から、笑顔を絶やさない、くらいの意識でいてください。
堪えきれずに暴言を吐いたりすれば、最悪申請ができなくなることがありますし、なんの意味もないからです。※後述
イタリアにきた今だからわかりますが、フィレンツェのスーパーのおばちゃん店員と同じくらいの対応をしてくれるので、ここで怒っていてはイタリアで憤死してしまいます。

さて、机には内線電話が置いているので、正面の張り紙に従ってAのボタンを押しましょう。
受付の方が出ますので、「〇〇時に予約していた〇〇です。」のようなことを伝えてください。
誰も他にいなくても時間までは絶対に対応してくれないので、大人しく時間まで待ちましょう。

机に置いてある大きなノートは、「ご意見・御助言、ご苦情ノート」です。
先程の意味がないというのは、これを読むとわかります。
このノートにはその受付の女性への苦情が10年分くらい書かれていますが、実際体験してみるとなんの効果もないことがわかります。このノートの存在自体知らないのか?と思うほどです。
とはいえ、そういう対応をしろと上に言われているかもしれませんし、最新ページに書いた場合、書いた人がわかるので(領事館には1日に何人も来ないでしょうから、事前に最新ページを確認していれば特定は容易だと感じました。)、汚い言葉を使うのはやめましょう。というか書くこと自体お勧めできません。
数ページでも読めばわかりますが、匿名に大義名分(嫌な対応をされたという被害者意識)が重なった時、人間はこうも攻撃的になるのか、と思わされる書き込みだらけでした。
なので、できるだけそんなノートには書き込まないようにしましょう。
というか置いてあること自体が不思議ですよね。10年も同じような苦情をみんなが書いても改善がないんですから。

しかしこのノート、読み込めばわかりますが、受付の女性だけに問題があるわけではなく、申請者にも問題があることがわかります。
必要書類でわからないことがある場合は、事前にメールなりで確認すべきことだと思いますし(私も申請料について聞き忘れましたが)、個人でビザ申請する方は特に下調べをしっかりするべきだと思います。
なので、ツッコミどころを作らないよう、しっかり下準備をしてから申請に臨みましょう。
ただ、領事館ホームページがわかりにくいという意見には同意したいです。

名前を呼ばれるまで待機し、時間になったら名前を呼ばれます。
この時、絶対に返事をしてください。他に人がいる場合、順番を飛ばされます。さっき内線していてもです。
返事をしたらすぐに窓口へ行ってください。もたもたしていると、何度も名前を呼ばれることになります。さっき返事したのにです。
急いで窓口に行くと、ついに対面するわけですが、ここで先程の書類の順番が重要になります。
私は順番通りにしていたので問題なかったのですが、順番が違うと言って突き返された人もいるようです。なので、初めから順番はリストの通りにしておきましょう。
不要な書類を返してくれ、クリアファイルに書類を入れている場合は後できちんと返してくれます。
一旦全て預け、また椅子に座って待ちます。大阪領事館にはソファもあります。
しばらくするとまた呼ばれて、今度は滞在申請に必要な書類を返却してくれます。⇨滞在許可証についてはこちら。

これで申請は終わりです。美味しいものを食べて帰りましょう。
あとはビザが発行されればパスポートに貼って返してくれるので、到着を待ちましょう。
私の場合は、月曜午前に申請、水曜日には手元に届きました。時期的に人も多くなく、大阪から近いのもあって早く届きましたが、通常は一週間以内に届くようですね。

 まとめ

①必要書類を集める
3ヶ月以上前には、直前にしか用意できないもの以外は全て揃えておきたいですね。

②領事館では仏の気持ちで
少しくらい嫌な対応をされても、ビザ申請は国と国とのやり取りなので我慢しましょう。
ある種の関所として厳しい対応をしているのかもしれません。

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