イタリア留学、授業内容について

留学のメインはやっぱり学校での授業なんですが、いろんな国の人が集まるのもあって、私にとってはかなり衝撃的でした。
私が感じたことを含めて、イメージを掴むための参考にしてもらえたらと思います。


 授業の雰囲気、概要

初日に一番心配なのは、どんな感じで授業が進んでいくのか、どんな人がいるのか、着いていけるだろうかなどだと思います。
私も初日はビクビクしながら登校しました。
私は出発前にNOVAでイメージを掴もうと思ってグループレッスンを受けましたが、やっぱり雰囲気は全く違いました。
NOVAは出発の直前の総仕上げとしてはいい選択だったと思っていますが、NOVAではオンラインレッスンだったこともあってイメージとは全く違いました。

初日は多分少し早くいくことになると思います。
私の場合、初日は日本人スタッフ(エージェントの話と違い、私の通う学校の職員ではなかった)と書類について話があるということで聞いていたんですが、時間通りには来ず、授業終わりに会いました。
事務所に行ってもその人は来てないから教室にいて、とのことで授業開始15分前には教室に一人待機していました。
結局その人は来ないまま他の生徒が一人(ナイジェリア人女性)が先に来て、少し話していたら先生が来て授業が始まりました。

授業の概要
授業は45分を4回、もしくは1時間30分の授業が2回(コロナ後はこっちがスタンダードかも)、というのがほとんどです。
前半は文法、後半は会話、と言う構成です。その後はプライベートレッスンなどが入ります。私はプライベートレッスンは受けずでしたが、冬場に誰も来ないということが何度もあって予期せずプライペートレッスンのようになりました。
ちなみに黒板じゃなくてホワイトボードです。
先生が数ヶ月か数週週間に一度変わります。先生によって授業内容はかなり変わるので結構厄介です。
教科書の進み具合や個人の能力によって、クラスのレベルが上がります。AからCまであって、Cが最高レベルです。※レベルについては後述。
基本的にはそのレベルの教科書が終わると試験などもなしに自動的に上がりますが、能力によっては残留することもあります。

席順
席は決まっていないので、遅く行くと昨日自分が座っていたところに誰かが座っている、ということが起こります。
私は目が悪いのでホワイトボードが見にくいのもあって一番ホワイトボードに近いところに座っていました。この席をキープするために毎日開始15分前に行って単語の勉強をするか本を読んでいました。
おすすめとしては、できるだけ早く学校に来て単語をやるとか何かを続ける習慣をつけてほしいです。一年続けるとだいぶ違いますからね。

授業の進行
私はA1からスタートしました。
初めはコロナのこともあって少なく、A1のクラスは開始時は2人だけでした。
これも後述しますが、当然授業は全てイタリア語で行われます。
授業は和やかそのもので、自己紹介から始まり、基本的なところからゆっくり進んでいきます。
どれくらいのイタリア語力が求められるかは、出発前のイタリア語力、勉強方法を参照してください。
出発前のイタリア語力、勉強方法の記事でも書いていますが、私はイタリア語検定4級を余裕をもって合格できるくらいの学力で出発しました。
それでも先生と話をしてみんなに自己紹介をして、授業を受けることは可能でした。

不安はずっとあると思いますが、日本でしっかり準備してさえいれば、あとは先生や周りの生徒に任せて大丈夫です。向こうも同じ人間ですから、こっちが何を言いたいのかを理解しようとしてくれます。

 語学学校の日本人

日本人の数ですが、エージェントの言うことやパンフレットの指数は当てにしない方がいいです。
時期によってかなり変わります。完全に運です。
実際私は初めエージェントから日本人がほとんどいないと聞いていましたが、後になって「ここは日本人が多いですからね〜」と真逆のことを言い出し、結果的にクラスに一人いるかいないかでした。
これは時期やクラスによって全部変わってくるので、学校に生徒が全然いない、という時期もあれば、教室が足りないくらいの時期(特に夏)もありました。
なのであまり前情報を信じすぎないようにしましょう。
私の体感では日本人はクラスに一人、多くて二人でした。
学校全体に5人いれば多いなぁ〜という印象でしたが、最多で8人くらいでした。時期によって1クラスに6人日本人がいるところもありました。

余談ですが、私の学校ではレベルごとに生徒の名前がリストになっていて貼り出されていたので、週一でメンバーをチェックしていました。

日本人生徒との距離感
ここで気をつけたいのは、日本人とのコミュニケーションです。
よく言われている「留学先で日本人とつるむと語学が伸びない」という点についてですが、これは多分本当に当たっていると思います。
私は奇跡的に一歳下のアレックスというフランス人が私の2週間後に入学してきて、私と同じく一年間通うということで意気投合することができました。
彼の婚約者もフィレンツェに住んでいて、彼らと毎週のようにバールに行き何時間もそれぞれのことを話し、帰国後の今でも連絡を取り合うまでに通じ合うことができましたが、これは私のクラスに日本人がいなかったことも要因の一つだと思います。
もし私が日本人とばかり話していたら、彼は私に話しかけにくかったと思います。逆に、彼がフランス人とフランス語で話していたらきっと私は声をかけなかったと思います。
よく20歳くらいの若い日本人生徒たちが廊下で会話していましたが、私とはクラスが違っていて話す機会がなかったこともあり日本人で深く関わった人はいませんでした。
決して日本人と話すなとは思いませんが、ふと廊下で日本人のグループが話している時の発音や話し方を聞いていると語学が伸びないのは間違いないんじゃないかなと思いました。
友達ができるかは完全に運の問題ですが、積極的にイタリア語を使い、聞く時間を増やすことが重要だと考えています。
それでも日本人とはある程度仲良くしておいて(打算的な話ではなく)損はありません。役に立つ情報を日本語で得られるのはかなり重要だと思います。
ここは自分のスタイルを信じて上手くやるしかないと思っています。

敬語に注意
しょうもないことかもしれませんがもう一点、日本人と話すときに注意したいこと。
私のように30歳という微妙な年齢の場合、毎回新しい日本人と出会うたび相手が何歳かどうか、敬語かタメ語かを考えて話さないといけないということです。
一番無難なのは当然全員に敬語を使うことなんですが、20歳くらいの子に敬語で話すとすごい壁ができてしまうような感じがして、毎回かなり悩んだ記憶があります。
明らかに年下の子に話しかけられた時、まずは「あぁ〜」みたいな曖昧な返事をして、次どんな感じで話してくるかを感じ取って対応していました。
これで9割間違いなかったんですが、一人だけ、話し方や顔立ち、服装からどう考えても年下だろうと思っていた人が3つも上だったことがありました。
授業中に先生の話の流れからお互いの年齢が発覚して、急いで謝りましたがそのあと気まずすぎてほとんど話さないまま帰国しました。申し訳なさでその日は全く集中できませんでした。
職場だと年齢に関係なく敬語でもいいかもしれませんが、学校の日本人が年下ばっかりで油断していたところに大変なミスをしてしまいました。
ちなみにアレックスにこの話をしたら「日本はめんどくさいね。」と言っていました。
これ実際に面倒なんですが、自分が30歳という微妙な年齢の人は日本人に対する言葉遣いには注意しましょう。
余談でした。

 日本人以外の生徒

当然、日本以外からもたくさん生徒が集まります。
私の滞在中に同じクラスになった生徒の国籍がこちら。
・ナイジェリア 1人
・フランス 2人
・日本 5人
・エジプト 1人
・クロアチア 1人
・スイス 11人
・ハンガリー 1人
・アメリカ 7人
・リトアニア 1人
・ドイツ 5人
・インド 1人
・イギリス 5人
・ポーランド 3人
・スペイン 2人
・チリ 1人
・オーストリア 1人
・ロシア 4人
・メキシコ 1人
・中国 1人
・韓国 1人
・カメルーン 1人
・ブラジル 1人
・ギリシャ 1人
・カナダ 1人
・ウガンダ 1人

ほとんどがヨーロッパ周辺からの留学生が多く、一番多いのはやはりスイス人の生徒ですね。
イタリア周辺の国から集まり、アメリカからも多かったですね。
中でもスイス人の語学能力は桁違いです。※後述。

ヨーロッパでは学生の交換留学が盛んに行われていたり、航空券が安かったり車や電車で来ることができるなど、日本とは環境が全く異なります。
そのため近隣諸国からはどんどん生徒が入ってきます。
さらにヨーロッパのバカンスの文化もそれを後押ししています。バカンス期間をフィレンツェで過ごし、午前は語学学校、昼は友達とランチ、夕方は観光、夕食はレストラン、みたいにしている大人な人たちはたくさんいました。

 授業に対する姿勢

一年いるといろんな生徒を観察することができます。
授業に対する姿勢は本当にさまざまで、大変興味深いものがありました。
まず、前提としてヨーロッパの人は入学時点でもうすでにかなり話せているか、初級でもちょっとやればすぐに伸びるような人ばかりです。
これは彼らの国の言語形態がイタリア語に似ているからなんですが、要するにヨーロッパ人は私たちから見ればもう話せている、という状態の人が多いんです。
そんな彼らのイタリア語を学ぶ動機のほとんどが、好きだから、というものでした。
これは勉強の姿勢に大き関わってくると思います。

日本人生徒とヨーロッパ諸国の生徒の能力差
初めに言っておくと、これは一年くらいの長期の留学に対しての私の感想や意見なので、数ヶ月などの短い期間の方は参考までにご覧ください。

私は彫刻の授業を受けるために留学したのが一番の目的だったので、まずは芸術の授業についていける語学力を身につけることが目標でした。
イタリア語がわからないと芸術のレッスンの際ついていけなくなってしまって、留学そのものが破綻してしまうんじゃないかという不安があったためです。
なので毎日学校に行き、毎日家でも勉強して、学校が終わってからの時間も積極的に勉強に当てていました。
でも学校に行くと、「イタリア語歴数ヶ月です」というスイス人学生の方が話せている、というのが当たり前でした。
これは当たり前のことなのでいちいちめげたりしてなかったんですが、興味深かったのは、彼らの勉強に対する姿勢です。
みんな授業を休む休む!
早退も遅刻もしまくり、そして宿題をやってこない人の多いこと!
寝てる子さえいました。
さらに家で宿題以外の勉強をしている人は皆無、みんな好きでやってるので(もちろん、仕事で必要という人もいました)、なんというか必死にやってる感じは全くなかったです。でもそんな彼らは死に物狂いで学んでいた私より何倍も話せるのです。
彼らのイタリア語にも間違いはたくさんありますが、単語力が圧倒的なんです。だから文法はめちゃくちゃでも意味が通るというか、話せてるんです。
私は知らない単語が出てきたらもうほんとに少しもわからないので、毎回辞書で調べたりしないといけませんが、例えばスペイン語圏の人たちは多分こういう意味だろうという感じで話すことができます。で、ほとんどが通じます。
ほとんどスペイン語じゃないのか?という人もいました。それでも通じます。
これがもうほんとにカルチャーショックというか、面白い点でした。

初めの方は、「なんでそんなに休んでるのにこの問題がわかるんだ?」とか、「なんでそんな単語を知ってるんだ?」と思っていましたが、彼らと話していくうちになんとなく上に書いたようなことがわかってきて、彼らへの尊敬と同時に、じゃあ私はあとどのくらい勉強しないといけないのかという不安が渦巻いてきました。

ヨーロッパ人の脅威の言語能力はすぐに体験することになると思いますが、じゃあ私たち日本人はどのような姿勢で勉強に臨むべきかというと、求めるレベルにもよりますが過去に留学経験や専門的に勉強していない場合、いわゆる「普通に自分の考えを話せる程度」になるためには死ぬ気でやる必要があると思います。
ちょっと意識高い系のことを言いますが、無理のない範囲で学校に通い、学校が終わったら普通に宿題をやって遊んで、ご飯を食べて寝る、という生活をしていると彼らとの差は開く一方です。
宿題をしてこない日本人も結構いたんですが、宿題をやってないとその日の答え合わせに参加できず、自分で考えて回答し、かつ間違えた所を直すという貴重な勉強の機会を失います。
問題集を解くだけなら学校に行かず一人でも、なんなら日本でもできますが、それをリアルタイムでイタリア人が解説してくれることが重要なんです。得られるものが全く違うからです。
なので自宅学習は毎日できなくても、宿題はささっとやっちゃいましょう。
毎回宿題をやってこなかったスペイン語圏の人がいたんですが、その人は私が何分もかけて考えた問題をその日初めて見て即興で答えて正解していました。
彼らのそういうところを真似をしていてもこの差は埋まりません。日本人の言語形態とは全く違うわけですから、それなりの努力は必要だと考えます。
もちろん自分にあった勉強方法があると思うので、この考え方が合わない人もたくさんいると思いますが、留学期間中、楽な方ばかりを選ぶことはお勧めできません。

新しい単元に対する備え、心構え
自分の勉強方法というかやり方がないという人は、以下の私のやり方を一度参考にしてみてください。
何度も言いますが、この方法じゃないといけないなんてことはないので、無理だと思ったら当然スルーして大丈夫です。

例えば、授業で「今日から半過去をやります」となった場合。
まぁないと思いますが仮に、半過去のことを全く知らず、聞いたこともないという場合、いきなりイタリア語で書かれた教科書を読みながら先生の話を聞かされても多分全くわからないと思います。(フランス人やスペイン人は自国の言語と似ているので初見でもだいたい理解できるそうです。)
1番の理想は教科書の雰囲気から次はこの単元だな、というのをある程度事前に予測しておいて、前日に日本語で予習しておくことなんですが、予測不能なタイミングで新単元が出てきた時は、先生が話し始める前のわずかなタイミングで、ネット検索します。
「その単元名 イタリア語」で検索したらいくつかの記事が出てきますから、だいたいどんなものか、どんな変化をするのかを、先生が本格的に単元について話す前にまず自分で調べます。文字にするとわずかな一瞬にたくさんのことをしているような印象ですが、実際に座って授業を受けていると、このような調べ物ができそうな時間は結構あります。
良さそうなページを見つけたら、それをずっと開きっぱなしにして、教科書と先生の話と照らし合わせて読み進めていきます。
おそらくそのページには例文も載っていて、かつ日本語訳も載っているでしょうから、かなりイメージを掴みやすいはずです。
たまに記事が間違っていることもありましたが、イメージをつかむとっかかりにはなるでしょう。
これで0だったベースがちょっとは底上げできて、先生の言ってる意味も理解しやすくなります。
私にあっていたやり方なのでこれは無理だ、という人は飛ばして大丈夫です。自分のやり方を見つけましょう。自分のやり方が見つかったらそれが正解です。


わからない単語については、初期(A1-2など)はもう全ての単語をメモして意味を調べるくらいのことをしてもいいと思います。
会話の授業で自分のターンじゃない時でも、人の話に出てきた単語は片っ端からメモ、翻訳を繰り返します。
基本的に授業中は手を止めず、ひたすら何か一つでも持って帰るぞくらいの気持ちでいてください。

会話の授業に対する備え、心構え
私なりの会話の授業のコツですが、基本的に会話の授業はお題がある場合が多いと思うので、お題が出た瞬間にもう予測できる単語や話したいことを全てノートに走り書きするか、頭に浮かべておきます。
例えば、「今日は映画の話をします。」となった場合、映画に関する単語(監督、俳優、シーンなどの単語)、最近観た映画や観たことがあるイタリア映画、そのタイトルや感想、好きな俳優や女優、日本の映画は好きか、など考えつく限りの可能性を頭に浮かべておいて、わからない情報はすぐさま検索してください。
例えば最近見た映画のタイトル、英語やイタリア語表記ではなんというタイトルかすぐに分かりますか?好きな映画のあの俳優、名前はすぐに思い出せますか?すぐに検索しましょう。
会話で知らない映画のタイトルが出てきても、「へ〜、知らんな〜。」で済まさず、すぐに検索しましょう。簡単なあらすじはwikipediaに載っています。
会話の授業は相手の話を聞くことも大事ですが、自分で話をすることが何より大事です。
そのための材料は申し訳ないですが他の人が話している間に集めましょう。運悪く1番目の場合は覚悟を決めてください。
映画のワンシーンを見て感想を言う、みたいな授業が実際にありましたが、感想が特に出てこない時「. . . Mi piace.」しか言えない人、多いと思います。
そんな時は自分のターンが来る前に映画タイトルで検索して、短くてもいいのでそれっぽいフレーズを探して、それを頭の中でもなんでもいいので翻訳して、自分の言葉(イタリア語)で話してみましょう。重要なことですが、(ここに関しては)間違ってもいいです。少しでも多く話すことが大事。
何もこれは映画の授業ではないんです。イタリア語を話す授業なので、他人の感想だろうがなんだろうが、その日うまく話せたという自信が1番上達につながるので、ぜひ活用してください。
そして、とにかく手を止めないこと。なんかこの人いつも全然話してないな、という人に限っていつもぼーっとしています。コメントも1言2言だったり。

偉そうに言いましたが、これはあくまでも一つの方法なので、そんなにガチでやるつもりはない、と言う人はもっとリラックスして授業に臨んでください。

 宿題について

宿題は先生によって量が変わりますが、ほとんど毎日出ます。
やってこなくてもめちゃくちゃ怒られるなんてことはありませんが、ガッカリはされます。
やってきてない場合、答え合わせに参加できないので誰かが答えている間に即興でやるか、参加せず人が答えているのを書いていくかになります。
待っている間に自分の番に来そうな設問だけやるのもアリです。
このあと家に帰って自分でやるならこれでもいいんですが、宿題をやらない人は家での勉強もしないでしょうから、結局授業の前半の時間を無駄にすることになってしまいます。
授業料はみんな同じだけ払っているんですから、1秒も無駄にしないでほしいです。
たまに宿題がない日があるんですが、みんな大喜びするんです。やったー宿題がないぞーと。
気持ちは分かりますが、多分その人はその日勉強せずに過ごすと思うので、私としてはなんでもいいから宿題があったほうが机に向かう時間が増えていいのになと思っていました。
宿題をやってくることが重要なのではなくて、記憶の定着のために毎日続けるきっかけには、宿題くらいのボリュームはもってこいだというわけです。
当然宿題をやりにきたわけでもないので、やるかやらないかはもちろん自由です。

 予習・復習

結論から言うと、予習まではしなくてもいいですが復習は必須です。
予習は難しい場合が多いので、必須とは言いませんが私はA1〜B1クラスまでは毎日予習もしていました。
スムーズに説明を理解するために、先生の話や教科書の進み具合から次の単元をあらかじめ少しだけ予習しておくというものです。

復習は必ず習慣化しよう
初めの方は特にですが、復習はできるだけやりましょう。
新しい概念について説明されて一回で理解できるほうが珍しいので、復習は必須だと考えています。
私がやった復習は、「今日出てきた知らない単語をやる」、「今日やった問題をもう一回する」、「間違った場所をもう一度やる」、「今日出てきた動詞の変化を練習する」、「ネットでその単元について調べて例文を作る」と言うものでした。
単語をさらうくらいでもいいので、なんにせよ毎日やる習慣をつけましょう。

 グループレッスンへの心構え

人数としては1クラスに10人以下なことがほとんどです。
時期によって変わるのでなんとも言えないんですが、私の場合は最低2人、最高11人でした。
平均して4〜5人くらいはいたと思います。
だいたいみんなギリギリか遅刻してくるので朝は私一人のこともありましたが、最終的に5〜6人になります。
この人数でしかも周りは全員外国人というグループレッスンはこれまであまり経験がないと思います。
NOVAで体験できるレッスンは日本人だけなのでまた雰囲気が違います。
上のクラスになるにつれて人数は激減し、新メンバーは一ヶ月に一人も入ってこない、ということになっていくと思います。
Bクラスが一番学ぶことが多く、友達もできやすいと思います。実際一番楽しかったのはこの時期です。あとやっぱり人が増える夏は友達ができやすいです。
Aクラスは英語しか話さない人が多い場合があるので、英語が堪能でないと友達はできにくいかもしれません。

自由発言、フリースタイルの場合
1クラス5人くらいとして説明していきます。
文法の授業は順番通りに当てられるのでほとんど問題ありませんが、たまにフリースタイルの先生がいます。
この問題、わかる人?というスタイルです。
これが非常に厄介で、問題や質問に答えられればいいんですが、みんながわからないとき無駄に時間が流れます。
ここでも間違ってもいいから発言しようと言いたい所ですが、ここで無理して間違ったとしてちゃんと説明してくれたらいいんですが、「No」だけ言う先生の場合、しっかり傷つくので黙っているほうがいいです。誰かが答えるか、先生が説明するまで待ってその単語や答えをメモしたり書いたりしましょう。
間違ってもいいんですが、間違うとちゃんと精神にダメージを受けるので、先生の質問の重要度に合わせて考えましょう。
出る単語出る単語に「これはどういう意味かわかる人?」と聞く先生がいたんですが、非常に厄介でした。例えば「食べる」って単語をどうやって説明しますか?「食べ物を口に入れて歯でかんで飲み込んで・・・」みたいに言うわけですが、みんながそんなふうに言えるわけではないので毎回シーン…となっていました。
これに毎回挑戦するのもいいんですけど、これくらいの軽い質問は辞書引いてメモするだけでいいです。
例えばホワイトボードに例文を書かれてこれはどのように変化するか、みたいに質問された時など、文法的に重要そうな問題が出てきた時は挑戦してほしいです。間違っても説明があるはずだからです。

会話の授業が一番の曲者
会話は先生によって千差万別です。
これが一番厄介な点です。文法はくるけど会話はこない、と言う生徒が多いのも頷けます。
と言うのも、先生によっては本当に1時間30分無意味な時間が流れただけ、ということもあるからです。
実際私がA1〜2までの間、会話の授業を受け持っていた先生は1時間半ずっと意味のわからない政治や宗教の話をするだけで、プリントやお題などは一切なく、たまに「はい」か「いいえ」で答えられる質問をしてくるだけでした。
なので私とアレックスは授業中に宿題を済ませ、たまに出てくる聞き取れるけど意味は知らないという単語をメモったり、たまにされる好きか嫌いか、みたいな質問に「はい」と答えるだけの時間が2ヶ月続きました。
その後はボードゲームをしたり、外に出て街の人に質問したりする楽しい授業をする先生に当たりましたが、1ヶ月後はまた別の先生に変わってプリントのお題について順番に話していく、という授業が続きました。
これがターン制バトルみたいな授業だとまた会話の授業になっていなくて、プリントの指示(例えば、これまでに一番悲しかったこと、など)に従って用意した文章を読むだけ、みたいなことになっていました。もちろん間違っているところは直してくれるんですが、これは会話じゃないですよね。
このように会話の授業なのに会話せずに終わることもしばしばです。
中には、楽しそうな話題を持ってきてくれて、うまく全員に話を振ってくれる上手な先生もいますが、オートマチックに淡々と進める先生もいます。
この辺りは上手に立ち回って、休み時間に他の生徒と会話するとか、授業が終わってからご飯を食べにいくとか、そういうところでカバーする必要があります。
このターン制ですが、討論みたいな授業の場合役に立つケースもあります。討論などの白熱する可能性のある話題の場合でフリースタイルだと元々会話力が高く自我の強烈なスペイン語圏の人が最強になってしまいます。そのため、一つの話題に対して順番に意見を言っていくような授業の時(飛び込み競技は芸術か否か、のような話題がありました)、ターン制だと自分の考えをまとめる時間も十分あるし、相手の話を聞くことに集中することもできます。一番目に当てられたら腹を括って先陣を切りましょう。


グループワークは大抵面白くないことが多いんですが、無理矢理楽しんで多く発言してペアを助けてあげてください。
私は普段おしゃべりな方ですが、グループワークの際、単純に面白くないとか意味がわからなかったり、アイデアがないときは固まっていたことがあります。そんな時はペアの人や先生がきっかけを作ってくれて、大惨事は免れるんですが、実際無口なペアに当たると結構しんどいと思うので頑張って盛り上げましょう。

 授業で気をつけたい点

勢いに負けない
勢いの強い生徒に注意しましょう。流れに呑み込まれないように。
人の話している最中に割って入ってくる人や、逆に割り込まれたくない気持ちが強すぎて声を大きくして他の人の声をかき消す人など、さまざまいます。
こういう人がいるとき、ターン制じゃない会話の授業での発言タイミングは結構難しいんですが、誰かと被ろうがとりあえず発言しましょう。

先生の興味ある話
私はA1の時の会話の先生は私たちに話させてくれずずっと一人でおしゃべりしてるだけの正直ハズレ先生だったんですが、先生の興味のあることを言うと少しだけ私の発言権が与えられることがありました。
例えば、その先生はヴェネツィアの人らしいんですが、旅行などの話題の時に、私が「ヴェネツィアに行ったことがあります。」というと、興味を示して私と先生の二人の会話のようになって、本来の会話の練習の形になることがありました。
これに味をしめて、毎回先生の興味のありそうなことを言ったり、迎合するような発言をしていたんですが、すぐに失敗だったことに気づきました。
私の迎合した発言は単に、先生に自分の専門分野や好きなことを話すきっかけを与えているだけにすぎず、結果として先生の一人語りの話題がそれになっただけでした。というか話の時間も伸びました。
これはこの先生がおかしいだけで、皆さんの学校にはこんな先生は居ないとは思いますが、先生の興味のある話が無駄話を誘発する地雷になるケースもあるので一応念頭に入れておいてください。

 英語は必要か

授業は全てイタリア語で進行しますが、A1くらいのクラスだと周りは英語で話していると思います。
授業に英語は必須ではありませんが、あると助かるのは間違いありません。詳しくはイタリア留学に英語は必要か?の記事を参照。
クラスに関係なく、英語が話せない人は日本人以外で見たことがありませんでした。みんな当たり前のように英語を話しています。
なので英語の勉強はある程度しておくべきだと考えます。

英語だけに頼らない
余談ですが、授業中ずっと英語しか話さない日本人がいました。
その人は動詞はもちろん曜日や数字すらもわからず、ほぼ全て英語で答えていました。
上記の英語に関する記事でも書いていますが、英語ができるからと本当に無勉強で来た場合、イタリア語でイタリア語を学ぶことができないため詰みます。その人は半年間、A1クラスににずっといました。そしてそのままいなくなりました。涙が出ます。
英語はコミュニケーションに必要なツールですが、授業はイタリア語で行われることを理解しましょう。

 持ち物

授業に必要なのは、筆記用具とノートです。
ノートはipadでも大丈夫です。
筆記用具は、筆入れにシャーペン1本、シャー芯1ケース、消しゴム1個、フリクション黒赤1本ずつ、黒のボールペン1本を入れていました。
一番使いやすいのはフリクションの赤です。なんといっても消せる!
シャーペン一本とノートと消しゴムがあれば授業は受けれます。

クリアファイル
加えて、クリアファイルを用意しておきましょう。
毎日プリントが増えるので、まとめておくファイルが必要です。

教科書
教科書はレベルごとに一冊あります。
大抵100ページあるかないかだと思います。
練習問題と説明が書かれています。奇妙なイラストが書かれていることも。

水筒
水筒も必須!自販機がないとこともあるので、水筒がないと夏場はかなりしんどいです。

 クラスのレベル

冒頭でも書きましたが、イタリア語の能力はA、B、Cの3段階のレベルに分かれています。
私の学校ではA1、A2、B1、B2、C1、C2でクラスが分かれていました。
留学経験がなかったり、大学で語学を勉強していたとかではない場合、まずはA1が無難だと思います。
まれにBから入ってくる日本人もいましたが、多分留学経験者だったり、専門科目がイタリア語の学校に行っていたりと言う人たちだと思います。
基本的には新しい生徒はA1からが普通でした。
私も初めはA1からで、半年でC1まで上がり、その後2ヶ月でC2まで上がりました。これは私の能力がC2のレベルに上がったのではなく、教科書が終わっていて、授業についていけているかを先生が判断してクラスが上がっただけなので、どこまで当てになるかはわかりません。
昇級の際、特に試験などはありませんでした。先生がなんとなくの独断で判断しています。
実際に同じクラスに残留している人が何人かいたので、なんとかテンポよく上がっていきたいですね。

移動は自由
もちろんこれは任意でレベルを下げることもできます。
逆に、B以上の語学力があるのにA1に入ってしまい退屈な場合は、クラスをあげることができます、
この辺は結構自由に行き来できるので、ついていけない!と言う場合でも心配ありません。
会話だけクラスを変える、というのも自由です。
ちょっと馬が合わない人がいる場合も理由をつけてクラスを変えてみましょう。その先にも変な人はいると思いますが。

 先生

先生はもちろんみんなイタリア人です。
私たちがイメージするイタリア人っぽい人もいれば、おとなしい人もいますが、基本的に陽気な先生が多かったです。
外国人向けの語学学校の先生ということもあって、私たち日本人にも気軽に話しかけてくれます。
先生によっては日本語を少し知っている人もいます。どうせわからないだろうと日本語で悪口などは言わないように。

いわゆる「教師」ではない
この先生という存在ですが、いわゆる市の学校などとは違って、私立の語学学校の先生は非常にゆるく、私と同じ時間に学校に来る先生もいれば、授業開始時間に学校に着く人もいました。
先生は学校の近くに住んでいる場合が多いので、登校中先生を見かけることもあるでしょう。
先生によっては授業中に電話に出る人もいました。日本ではあり得ないことですが、聞いていると他の国でもあり得ないことだそうです。
授業真っ只中の教室に入ってきて弁当をチンする先生もいました。

先生も遅刻する
さらに、何人かの先生は授業開始時刻に遅れて教室に入ってきます。学校にはいるのにです。だいたい5分は遅れます。
今日のプリントのコピーを取ってた〜とかいって遅れてきますが、コピーなんか前日にできるだろうと思います。
まぁ国民性なのでしょうが、私たちはこの5分にもお金を払っているので、遅れないでほしいですね。
生徒は決して安くない授業料を払っている、という感覚はどの先生にもなく、私はやったが、新しい生徒はやっていない、というトピックが出てきた場合などにもう一度そこを復習するかどうかの話になった時、「リュウタは一年もいるからいいよね」みたいに長くいる人の1日は蔑ろにされがちでした。

先生はランダム
先生は結構頻繁に変わります。
先生がコロコロ変わるのは正直やめて欲しかったんですが、いろんな人から同じ単元の説明を聞くことで、多角的な視点で一つの問題を見ることができます。
先生によって言ってることが違う場合は、先生の名前は出さずに、「参考書に書いてあったこれもあっているか?」のように聞きましょう。
逆に一つのトピックについて複数の先生で言っていることが同じ場合は、その情報は正しい上に重要なことが多いのでしっかり覚えるようにしましょう、
学校の問題集も先生によって答えが変わります。これも正解だけどこれも間違いじゃない、みたいな問題が多いです。
学校にあるCILSの問題集に解答がついておらず、先生の憶測で答え合わせをすることもありました。

 遅刻について

私は20分遅刻したらもう教室に入れてもらえないと聞いていたんですが、見ていて全然そんなことはなかったです。
私は一年間で遅刻はしませんでしたが、移民局に行く日だけはアポイントの時間的に休む必要がありました。

遅刻の概念
遅刻がそこまで悪という概念がそもそもないのか、みんな10分くらいは遅れてきます。もちろんみんな軽く謝ってはいますが。
先生によってはいちいち授業を止めてその人を待つ人もいて、かなり迷惑でした。
日本人でも遅れてくる人が結構いて、ある人が先生に「日本人なのに遅れるんだね。」みたいに言われていました。みんな日本人の異常な時間を守る性格をある種期待しているので、その変な期待を裏切らないようにしましょう。例えばパスタやワインが嫌いなイタリア人って、絶対にいるはずですがなんかショックじゃないですか?
何度も言いますが、その人が遅れたせいで止まった数分の授業料は返ってこないんです。自分のせいで授業が止まることのないように、遅刻はしないようにしましょう。
あと単純に椅子をひく音や荷物の音で集中が途切れて迷惑なのもありました。

 その他、アドバイスや感想など

しっかりやっていれば話す力は毎日伸びる
私の場合、授業3日目で「いける!」と手応えを掴んだものの、4、5日目でついていけるか不安になりました。
でもその後C2まで上がってなんとか毎日やっていけたのでとりあえず初めの方は死に物狂いで勉強続けることです。
まず1ヶ月耐えてください。

英語を使えない不安
私は英語が満足にできないため、「自分にはイタリア語しかないが、他の外国人は英語が使える」という不安が常にありました。
そのためにイタリア語学習を死ぬ気で頑張れたのはありますが、英語も少しでいいので勉強しておきましょう。
英語についてもヨーロッパの英語圏の人と話していると、アメリカ英語以外は聞き取れるようになります。

しばらくすると質問の意味が分からなかったりすることが増えた
クラスが上がるにつれて、具体的にはB2あたりからこの不安がつきまとい始めました。
周りのレベルが上がったことや、単純に勉強不足だったり、知らない単語が増えたからかと思っていますが、A1からB2に上がる頃はおそらく留学に疲れてきている時期だとも思うので、体のケアもしっかり行いましょう。

慣れるのに一ヶ月
この慣れない国での生活は1ヶ月でグッと慣れます。半年もすれば大抵の問題は問題ではなくなります。

週末の予定について
毎週金曜は、土日に何をするか聞かれます。毎回何もしないならいいんですが、一応答える準備しておきましょう。

月曜日は毎週何したか聞かれるので用意しておく
上と全く同じことですが、毎週月曜は、土日に何をしたか聞かれます。これも一応回答を準備しておきましょう。

自己紹介は毎回アップデートしていく
新入生が毎週のようにくると思うので、自己紹介の定型分を自分で作っておいて、毎回アップデートしましょう。
これは学校だけではなく、外で聞かれた時もそのまま使えるので便利です。

自己紹介のたびに目的を聞かれるので用意しておく
何をしにイタリアに来たかも聞かれるので、定型文を用意しておきましょう。
これも同じく、外で聞かれた時もそのまま使えるので便利です。

2ヶ月目は違いに気づく
授業を受け始めて2ヶ月、明らかな変化を感じられると思います。とはいえまだまだ普通に話すことは難しいはずなので気を緩めずイタリア語のことを毎秒考えるくらいの気持ちでいましょう。

なんで?と聞かれることは事前に用意しておく
イタリアに来た理由もそうですが、「昨日ミラノに行きました。」というと、大抵相手は「何をしに?」とかって聞きますよね。そういうのもあらかじめ頭の中でイメージしておくか、もうまとめて「ミラノに冬服を買いに行きました。」
といえばいいかもしれません。それでも「いいものは見つかった?」と聞かれるでしょう。
事前に頭の中で会話を予習しておくのもいい勉強だと思います。
何度も言いますが、用意している弾が多ければ多いほど学校の外でスムーズに使えます。

NOのパワー
同じクラスで一緒だった日本人生徒のことなんですが、先生が生徒を当てる時によくいう「Vuoi provare?」に対して「No」と答える人が2人いました。
いずれもB1までのクラスでしたが、ここで挑戦せずいつやるんだ?と思っていましたし、後で聞くと先生も同じように思っていたそうです。
宿題をやっていなくても、自信がなくても、自分にパスが回ってきたらとりあえず何か答えましょう。

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