イタリアでのお金、クレジットカードについて

留学において何よりも重要なお金について記載していきます。


 デビットカード

私は、現地での支払い(8割くらいは)や現金の引き出しはほとんどデビットカードで行いました。

あとで少し解説しますが、デビットカードは買い物やATM利用の際、指定の口座からその金額が引き落とされるというものです。
さまざまなカード会社がありますが、私は普段から楽天カードを使っていたので、留学に際して楽天銀行(ネットバンキング)を開設し、デビットカードを発行しました。
もろもろ含めると1ヶ月くらいかかるので、早い段階から用意することをお勧めします。留学を決めたその日にもう申し込んでいいのではないかと思います。

盗難や不正利用のことを考えて、必ず予備を準備しましょう。
追加で2〜3枚くらいあるといいと思います。
私の場合、ジャパンネット銀行を開設しデビットカードも発行してもらいましたが、幸い、予備を使うことはありませんでした。

私は当初デビットカードの仕組みがよくわからなかったので、ここで説明しておきます。
デビットカードは主に銀行が発行しています。一方クレジットカードはカード会社が発行しています。

銀行
(私の場合は楽天銀行)にあらかじめお金を預けておき、その銀行が発行するデビットカードを店頭で使用(PINコード必須なので発行の際に覚えておくように)すると、すぐに(場合によりますが大抵その日中に)通知が来て、銀行からその分の金額と手数料(海外利用の場合)が加算されて引き落とされます。
楽天銀行は普通の日本の銀行なので、日本のどの銀行からも振り込みが可能です。
私の場合はゆうちょをメインバンクにしていたので、そこに予算を全て預けて、都度ゆうちょダイレクトで楽天銀行にネット振り込みをしていました。

色々書いてますが、要はこういうことです。手数料はガッツリかかります。

※2022年からゆうちょダイレクトのルールが色々変わったので、必ず出国前にゆうちょ認証アプリの登録をしておいてください。
日本の電話番号が必須なので、滞在中にさらにログインや送金についてのルールが変わった場合、完全に詰む可能性があります。

これ、あまりちゃんと書いてあるサイトがないんですが、この手数料がかなり曲者なんです。
どういう仕組みかというと、例えば1ユーロが130円だとすると、1ユーロが133〜138円くらいになって引き落とされるわけです。
お金の価値としては、50ユーロの買い物をすると、6500円(1ユーロ130円として)になりますが、これが例えばスーパーなどで買い物をすると、手数料で1ユーロ133〜135円くらいになるので、50ユーロの買い物をすると、6750円くらいになります。この数百円が1ヶ月で数千円になってしまいます。
つまり、私たちは人より高い金額で買い物をしなければならないことになります。

そして、この手数料はATMでお金をおろす際にもかかってきます。
詳しくはATMについての記事で説明しますが、郵便局のATMでお金をおろす場合も、1ユーロ133〜138円くらいになります。
200ユーロ引き出すとすると、仮に1ユーロ138円だと27600円(本当なら1ユーロ130円⇨26000円のところ)になります。
つまり、ATMの手数料だけで1600円‼︎というわけです。※これは一番ひどいケースなので日によっては600円くらいになる場合もありますが、実際にありました。
これ、当然ですが結構後々に響いてきます。
お金の価値は毎日変わってしまうので、時期によって手数料は変わりますが、同じ200ユーロをおろしても1ユーロ136円(200ユーロで27200円)の時もあれば133円(200ユーロで26600円)の時もあります。
日によってそんなに手数料を取られていては溜まったもんじゃないですよね。
なぜエージェントはこの事実を伝えないのか甚だ疑問なのですが、何が言いたいかというと、単純計算(その日のレート、仮に1ユーロ130円くらい)で予算を組んでいると取り返しのつかないことが起こる可能性があるということです。
なので、現金を多く持っていかない場合、必ずこの事実を頭に入れて、生活費の予算は3〜5%多めに用意して下さい。

 クレジットカード

私の場合、クレジットカードは直接利用する機会はあまりありませんでした。
ネット通販(Amazon.ITなど)レンタルバイクなどに使用することがメインだったので、カード本体は持ち歩いていませんでした。
私の場合はこれが楽天カードで、日本でのさまざまな支払い(NET FLIXやAdobeの支払い、公共料金など)に紐づけていたのですが、なんとしっかり不正利用(通知が来るので被害はありませんでした)の憂き目にあい再発行する羽目になり大変面倒でした。※後述
使用できなくなった時に備え、それぞれ2〜3枚くらいあるといいと思います。※財布に全部まとめて入れるようなことはせず、分けて保管して下さい。
私は愚かにもクレジットカードの予備を日本に丸ごと忘れてきてしまったので、サポートへの電話とチャットでなんとか再発行してもらい、実家の家族に受け取ってもらい番号だけ知らせてもらってなんとか復活しました。皆さんは必ず予備を持ってきて下さい。
デビットカードの予備はありましたが、運良く被害には遭いませんでした。

デビットカードがなんらかの事情で利用できなくなった場合、クレジットカードで買い物はできますが、現金の引き出しができません。
とはいえ、クレジットカードがあれば買い物などはできるため、しばらくは現金以外はどうにかなります。
デビットカードとの差は、クレジットカードはたいてい翌月に引き落としになると思うので、予算の管理が面倒になるということです。
デビットカードは即時引き落としが売りなので、予算の管理がしやすいと感じています。

 現金について

さて、現金ですが、エージェントのサイトやよくある留学サイトでは、「盗難に遭うかもしれないから、日本で数万円から10万円分くらいを両替して持っていきましょう。」という記事が載っています。
独立アパートに住んだ私の意見としては、これは一考の余地有りです。
私はそれらを間に受け、10万円を金券ショップでユーロに両替してもらい(750ユーロくらい)現金はそれだけで出発しましたが、私が次回留学するとしたら最低でも家賃分は全額現金で持って行っていい、くらいに思っています。※独立アパートの場合。※もちろんカード同様、小分けに保管するなどの対策は必須。
家賃はほとんどの場合、到着時に大家さんに現金で払うことになるため、10万円分ではあっという間に現金が無くなってしまうからです。
私は何故か2ヶ月に一回まとめて払うスタイルでした。
特に独立アパートに住む場合は多めに持って行くべきではと考えています。
※ルームシェアの場合は後述。

私の印象では、フィレンツェは日本に比べてかなりのカード社会に感じました。どんな店でもカードが使えますし、トラムの券売機や自販機でもカードが使えます。(ちょっと防犯上良くないですが)
こういった側面から見ると、現金はそんなにいらないんじゃないか、と思うかもしれませんが、知らなかった身からするとカードの手数料が高すぎます。
日本の感覚で行くと、コンビニのATMの手数料ってかなり高く感じますよね。
でも、日本では数千円降ろそうが数万円降ろそうが、手数料には上限があります。フィレンツェの市街地のバールなどに備え付けられているATMの手数料はブッ飛んでいます。
なんと1ユーロ150円計算‼︎しかも上限なし。※これもレートによって変わりますが、ブッ飛んでいるのは変わりません。
さらに最低引き出し金額が100〜150ユーロ以上からのところがほとんどなので、例えば150ユーロ降ろすと手数料はなんと3000円です。
どうでしょう、現金をもう少しだけでも持って行く方が良くないですか?

私の場合、現金を使う機会は家賃を払うときと、ワリカンするとき、少額の買い物(ジェラート屋で3ユーロ払うときなど)をするときやカードが使えるかわからないお店や施設などだけでしたが、それでも手数料のことを考えると、もっと日本で両替して持っていっていれば無駄な手数料を払わずに済んだなぁと強く思っています。
手数料は回数ではなく金額にかかってきますので、いくらをどう降ろそうが手数料はかかってしまいます。

しかし、ルームシェアの場合は少し話が変わります。

ルームシェアにおけるお金の管理
私の場合、独立アパートだったので盗難のリスクはスリなど外部によるものだけでしたが、ルームシェアやホームステイの場合、話は変わってきます。
ルームシェアやホームステイの場合、盗難のリスクは内部にも潜んでいます。
共同生活の場合、家賃をすべて現金で、というのは危険です。
私は財布ではなくマネークリップを利用しているのですが、部屋のダイニングテーブルにそのままポンっと置いたままにしていて、たまに大家さんや掃除の人が来る日はそっと隠しているくらいの管理でしたが、共同生活で同じようにしていると悲しいですが盗難に遭うと思います。

当然ですが、絶対に他人に財布や現金、カードの保管場所を知られないでください。
基本的に鍵付きのスーツケースに保管したり、その中でも場所を分けるなどして絶対に盗ませないぞという意識でいて下さい。
申し訳ない気持ちもあるかと思いますが、ルームメイトが帰国する日などは一番注意して下さい。
その気になればスーツケースごと盗むことだってできます。できればその日は部屋にいるなどして注意を払って欲しいところです。

ホームステイでその家族に子供がいる場合に、物を盗まれたという話を聞きました。
証拠もないでしょうから、体験談の一つとして聞いていたので詳細は聞いていませんが、可能性としては十分にあり得ます。
こちらも今後の生活がある以上、大家さんに言いにくいという部分もある上、やはり証拠もないわけです。
やはり自衛が何より大事になってきます。
これも悲しいことですが、中高生くらいのお子さんがいる家庭では特に注意して下さい。

とはいえ、カードやATMの手数料は全員にかかりますので、ルームシェアを考えている方はいくら持っていくか、管理する能力はあるか、しっかり考えてから額を決めましょう。
私は独立アパートだったので現金を推奨するような記事になっていますが、やはり心配はつきませんので現金は最小限に抑えても手数料以外は全く問題ありません。
ただその場合は、手数料分多めに予算を用意して下さい。
店舗利用やATM利用の場合、手数料は3〜6%が目安です。私の場合一年間の手数料はATMだけで4万円程度でした。キツいっ!
さらにこれに普通の買い物の金額x数%かかっているので、下手すると10万円近くはかかっています。

どんな場合でも、現金は日本で両替するのが最も安く済むため、できる限り日本で用意していって欲しいのですが、もちろん盗難にあった時のダメージはその分大きくなるため、現金をいくら持っていくかはよく考えて決めて下さい。

ただ、財布ごとメインのカードも全部盗まれる場合は現金でもカードでも関係ないので、絶対に気を抜かないようにしましょう。

 海外送金について

楽天銀行にした理由は「海外送金が申し込み一つで簡単にできるようなるから」でしたが、この海外送金は使う機会は一度もありませんでした。
単に他口座から(日本から)デビットカードの引き落とし銀行(日本の銀行)に送金すればいいだけで、特に海外送金について考える必要はないと思います。
デビットカードさえあれば、生活には困りません。
仕送りをしてもらう場合でも、特になにも考えずデビットカードの引き落とし口座に入金してもらうだけで完結します。

 被害に遭ったら

カードの被害に遭ったら、何よりもまずカード会社に連絡しましょう。
どうしようと考える前に、まずカード会社に連絡です。アプリや電話など様々な連絡方法があると思うので、非常時の連絡方法については必ず事前に確認しておきましょう。

楽天カードの場合、不審な利用が感知されると利用確認のメールが来たので被害はありませんでしたが、スキミングなどの口座のお金が不正に引き出された場合被害は甚大です。
現地で現金を引き出すカードと、お店での買い物やネットでの買い物、引き落としに使うクレジットカードを一枚のカードに集約していたり、予備が一枚もないと、被害にあった時に一歳身動きが取れなくなってしまいます。
つまり、デビットカードが止まった場合、まず現金が引き出せなくなります。
そして、あらゆる場所での買い物ができなくなります。
となるともう学校などからお金を借りるより他にありません。
これは実際にあった例なので、皆さんにとっても他人事ではありません。
借金(語弊がありますが)が可能な学校ならいいんですが、もしそれができなかった場合本当の本当に詰みます。
なので、カードは必ず分ける、もしくは予備は必ず持っていくようにしてください。

止めたカードは再発行しなければなりませんが、お店での買い物や現地で現金を引き出すデビットカードの場合、日本で再発行して、ご家族にイタリアへ発送してもらわなければなりません。
なぜなら、現金の引き出しにはカード本体が必要だからです。
ネットでの買い物や引き落としに使うクレジットカードが止まった場合はまだマシで、番号さえあれば引き落としの登録は可能なことが多いので発送までは必要ありません。
クレジットカードの場合、停止から完全に機能が回復するまで三週間ほどかかりました。

ここで注意したいのが、日本のカード会社の営業時間とイタリアでは時差があるため、向こうの営業時間に合わせる必要があることと、向こうからの着信はほとんどの場合非通知表示になってしまうということです。
これが結構厄介で、日本の9:00はイタリアの午前2時ですから、向こうの朝一で電話をするなら2時まで起きている必要があります。
さらに、一番謎なのが全ての楽天からの電話は非通知または不明、と表示されてしまいます。
楽天カード側はそれほど親身になってはくれないので、こっちの必死さは多分伝わりません。

 まとめ

①デビットカードがお勧め
これを見たらすぐに申し込んでいいくらい便利です。年会費のかからないものにしましょう。
私の場合は楽天銀行の発行する楽天デビットカードでした。

②予備は必須
クレジットカード、デビットカード両方の予備を数枚持って行くようにしましょう。
必ず分けて管理すること。
私の場合は、デビットカードの予備としてジャパンネット銀行のもの、クレジットカードの予備は丸ごと持ってくるのを忘れ、大変困りました。

③手数料に注意
手数料は約3〜6%(回数ではなく金額にかかるので細かく出金しても損はしません。)
予算を組むときに考えなければならない、大きな落とし穴です。
私はATMの手数料だけで一年間で約4万円かかりました。全体の手数料を考えると10万円は超えていると思います。

④現金はよく考えて持って行く
独立アパートの方は家賃分持っていっても問題ないと考えます。
共同生活の方は手数料分多めに持っていくか、最小限の現金に済ませるかよく考えましょう。
いずれにしても、必ず分けて管理すること。
私は10万円をユーロに変えて持っていきましたが、独立アパートだったこともあり、もっと多く持って行くべきだったと思いました。

⑤盗難に注意
他人と共同生活する場合は、保管場所をよく考え、盗難のリスクを限界まで下げましょう。