都市が決まり、予算が決まったら次は具体的にどの学校に通うかを決めましょう。
ビザに必要な書類についても記載します。
学校について
目的についての記事で目的は特になくてもいいというようなことを書きましたが、学校を決めるためにある程度の目的が必要になります。
ある程度の目的があれば学校を決めるときにスムーズに選択肢を絞れるため、なんとなくイメージだけは持っておきましょう。
どんな目的があるにせよ、おそらく、大学の第二外国語などの学校教育だけでイタリア語の日常会話を不自由なく行える人はそういないと思うので、まずは語学学校に通うことになります。
実際私も基本的な文法以外は全然できなかったので、美術の授業を受ける前に語学学校で、ある程度の語学を学ぶところからスタートしました。
具体的には、語学学校に一年通いながら後半3ヶ月を芸術学校で美術の授業を受けました。⇨授業についてはこちら。必読。
エージェントの話
この辺りに関しては申し訳ないのですが、私はエージェントを利用したため個人で学校を選んで契約する場合については私の憶測になってしまいます。ご了承ください。
二回目の留学のチャンスがあれば、全て自分で手続きする予定なので随時更新します。
エージェントを利用する場合、目的(ざっくりで可)を伝えるとおすすめの都市や学校を紹介してくれます。
一応目的に沿った学校を勧めてくれるのですが、例えば芸術のレッスンや料理のレッスンを受けたい場合、エージェントの勧めるままに学校を選んで、学校に任せっきりにしていると何も起こらないまま帰国する事になる可能性があります。
どういうことかというと、もちろん受けたいレッスンによりますが、学校が私たちのために特別に何かをしてくれることはほぼなく、自分のタイミングで各レッスンを学校側に申し込む必要があるということです。
自分で動かないと何も起こらないのは当然と言えばそうなのですが、エージェントの話とは大きく乖離しています。
例えば、芸術のコースを受けたいとしますよね。エージェントは、「それならこの学校ですね!この学校にすれば万事OKです!」というように勧めてきます。
こっちは何も知らないわけですから、「じゃあこの学校に入れば芸術のコースを受けられるんだ。」と思いますよね。
もちろん、ある程度話せるようになってから、という旨の話はしてくれます。
初めから専門学校のようなところであれば問題はないのだと思いますが、語学学校の場合は注意してください。
学校のプログラムに、受けたいレッスンが組み込まれていない場合は、十分に計画を練りどのタイミングで、誰にどう申し込めばいいかは出発前に必ず確認してください。
個人で学校を探し、契約する場合はまずはメールなどで連絡をとってみてください。
私は現地でできた友達から教えてもらった美術学校に直接メールをして、どのように手続きすればよいか質問して実際に見学に行きました。
イタリア語でのやりとりが難しい場合は、グーグル翻訳で翻訳した程度の英文でも大丈夫です。
学費・入校日
学費が現実的に支払える金額かどうかも大きな要素になってくると思います。⇨学費の真相についてはこちら。
安すぎるところは心配ですが、高いからいいのかというと私は懐疑的です。
私の学校は偶然にも学費が安い方でしたが、音楽や料理など、特別なレッスンがある場合を除いて、学費が割高の学校に行くよりはそこそこの学費のところに通い、学校が終わった後や休日にそのお金を使って活動する方が有意義だと思っています。
高い学費に意味はない!とは全く思いませんが、高いからいいというわけではないのは、ここでも同じです。
個人で学校と契約する場合、学費の支払いの証明書を必ず送ってもらいましょう。ビザ申請に必要な書類です。⇨1ヶ月〜2ヶ月かかります。
入校日については、学校が設定した日、もしくはエージェントが作ったリストに書かれた日時になります。大抵、毎月2〜4日入校日があります。
学校によっては、初級以上なら途中からの参加が可能な場合があります。
この入校日が決まると、具体的な出発の日時が設定できると思うので、航空券を購入できるようになりますね。⇨航空券についてはこちら。
事前情報に惑わされない
エージェントのパンフレットや、学校が出す事前情報を鵜呑みにしないということはかなり重要です。
例えば、「この学校は日本人が多いから、こっちの日本人が少ない学校がいいですよ。」と言われると、「ああそうなんだ、じゃあそこにしようかな。」って思ってしまいませんか?
で、実際に行ってみるとクラスはほぼ日本人、ということは結構聞きます。
実際、私の行っていた学校は日本人はそんなにいないとエージェントから聞いていましたが、話していくうちにどんどん言っていることが変わり、最終的に半分は日本人、と言われました。が、行ってみると各クラスに一人いるかいないかでした。
もちろん逆のパターンも起こり得ます。
アクティビティについても、ネットに上がっている情報はどれも魅力的で楽しそうなものばかりかもしれませんが、現実はそう甘くありません。
そもそも魅力的なアクティビティが一向に掲載されなかったり、興味があるアクティビティがあっても人数が集まらず流れてしまうこともしばしばです。⇨アクティビティについてはこちら。
しかし、これらはある程度仕方のないことで、エージェントは過去のデータを見て話をしてきますし、直接学校と契約する場合でも自分が行く時の正確な情報を知る術は向こうにもないからです。
ではどのように実際の情報を手に入れるかということですが、学校のホームページやSNSがある場合はまずそのアカウントを毎日チェックしてください。
学校は定期的に生徒の写真を載せたり、学校の様子をSNS やホームページに載せています。
エージェントのSNSやブログ、コラムもチェックし、行きたい学校のレビューや体験談がないかチェックします。
さらに、得意な方は自身でもSNS上で検索したり情報を募ってみてもいいでしょう。
私の場合、「日本人生徒が多い」、「芸術に強い」、「日本人スタッフ在中で安心」、「アクティビティの種類が豊富」という事前情報でしたが、全て情報と異なりました。
・日本人はクラスに1人いるかいないか。ただもちろんこれは時期にもよりますね。
・学校に授業として芸術のコースがあるわけではなく、単に提携している工房がいくつかあるというだけの怪しいもの。しかも先生や事務員は詳細を知らない。
・日本人スタッフは学校に在中しているわけではなく、別の学校のスタッフかつ返信が遅い。(悪い人ではありませんでしたが。)
・アクティビティは毎週ほとんど同じもので、ほぼ誰も参加しないので流れている。これももちろん学校によりますが、私の場合事前情報とは違いました。
受け身すぎると思われるかもしれませんが、イメージとしてはもう少し学校側が個人個人の情報を把握しているものと思っていました。
初日にもっと説明があるものと思っていましたが、日本人スタッフ(別の学校の人)も私の名前くらいしか把握しておらず、芸術のコースについて尋ねると、「まずは話せるようになってからだね〜、その頃にまた学校に聞いてみて。」と言われ、具体的な情報は聞けませんでした。おっしゃる通りなんですが、語学だけを学びにきた人たちと目的が少し異なるため、その辺りのケアが欲しかったなと思います。
この辺りをエージェントは説明してくれないので、この記事から少しでもイメージを掴んでいただければと思います。
体感として、学校の事務と担任教師も情報のやりとりがほとんどないように見えました。「明日から新しい生徒がきます。」となった時でも、先生はその生徒の国籍以外の情報は何も持っておらず、男性か女性か、何歳か、どのくらいできるのか、何も知らない様子でした。学校によってはなんの情報もなく、月曜に学校に行くと新しい生徒がいる、ということもあるようです。
学校の選び方
以上を踏まえ、私の思う学校の選び方は、以下になります。
学費重視型:ある程度現実的な値段の場所を選び、浮いた費用を旅行や個人的なレッスン、活動に充てるというタイプ。※とは言え現在はどこも値上がりしている現状です。
専門性重視型:絵画や音楽などの芸術、料理、バリスタなどのその学校でしかできないことを重視するタイプ。
場所重視型:街そのもに興味がある場合や、そもそも語学学校がついでの場合に、住居に近い、活動場所から近い、という理由で選ぶタイプ。
私の場合は芸術のコースを受けたかったので、専門性重視型で相談し、「じゃあここですね!」と勧めてもらいましたが、行ってみると自分で全て考えて、芸術学校や工房を探さなければならないうえ、事前情報のほぼ全てが現実と異なっていました。
ビザの申請に必要な書類
送られてくる書類でビザの申請に必要な書類は、4種類です。
● 入学許可証(Certificato Di Iscrizione)
● 教育機関として認可されていることがわかる公的な書類 (Ministro dell’Istruzione , dell’universita e della Ricerca Ufficio Scolastico Registrazione Per la Toscana Direzione Generale)
● 領収証(日付の記載と、Pagatoの文字がスタンプされている書類です)
● 滞在先に関する書類(4枚)⇨詳しくは滞在先の書類についてをご覧ください。
以上です。基本的にカラーだったり直接スタンプが押してあったり、直接ポールペンで書き込まれているものが原本になります。
一つずつ説明していきます。
● 入学許可証
その名の通り、入学を許可する書類になります。
一番上に、「Certificato Di Iscrizione」の記載がある書類になります。
これには、「〇〇さんの入学を認め、〇月○日から〇月○日までの〇〇時間の授業を保証します。レベルは〇〇です。支払いは既に完了しています。」のようなことが書いてあります。
学校のスタンプと、校長のサインが入っていることを確認してください。
これはビザ申請に必要な書類なので、必ずコピーを取りましょう。
● 教育機関として認可されていることがわかる公的な書類
一番上に、 「Ministro dell’Istruzione , dell’universita e della Ricerca Ufficio Scolastico Registrazione Per la Toscana Direzione Generale」の記載がある書類になります。
この書類には、その学校が本当に学校かどうかを示す書類になります。
例えば個人の塾みたいなところに通う人にビザを発給するのは問題がありますよね。ビザは国と国とのやりとりになるので、この辺りは求められて然るべき書類と言えます。
下の方に青い矢印のスタンプと、学校名が印字されていることを確認してください。
これもビザ申請に必要な書類なので、必ずコピーを取りましょう。
● 領収証
下部に「PAGATO」のスタンプと、受領日が記載されている書類です。
これもビザ申請に必要な、支払いが完了していることを証明する書類になります。コピーを取りましょう。
● 滞在先に関する書類(4枚)⇨詳しくは滞在先の書類についてをご覧ください。
内容としては、
・規定フォーマットの入居証明書 3枚
・大家さんの身分証明書(Repubblica italiana carta d’identità) 1枚
の二種類、4枚です。
ビザの取得のページでこれでもかと説明しているので、今はさらっと流してください。
まとめ
①まずは語学を伸ばす
私は語学を伸ばすため、12ヶ月語学学校に通い、自分で芸術学校を探して語学学校と並行して3ヶ月通いました。
②エージェントの話や学校の出す情報は参考程度に
③何を重視するか
私の場合は受けたいコースの専門性を重視しました。
④送られてくる書類は4種類
全て重要な書類ですので、必ずなくさず保管し、コピーを取りましょう。