フィレンツェ食事事情

必要不可欠な食事について。
一年間の留学で見えてきたフィレンツェの食事事情をまとめます。


フィレンツェの人たちが何を食べているのかはもちろん人それぞれだと思いますが、身近な人や私の聞いた話、街にある飲食店、フィレンツェで食べられるものについて書いていきます。
まずフィレンツェにある飲食店で私が目にしたのは、もちろんイタリア料理(主にトスカーナ料理)、ピザ、ベジタリアン向けレストラン、中華料理(少)、韓国料理(極少)、日本食(少)、ケバブ的なもの(極少)などのお店でした。
あとはカフェ、バールですが、そこでも食べれるものはイタリア料理やイタリアでよく食べられているものだけです。
あとはパン屋さん、スイーツ屋さん、ジェラート屋さん、という感じですね。
私の行った街に関しては、日本のように多国籍な飲食店があるわけではないように感じました。
伝統的な料理が多く、それぞれのレストランで同じメニューが食べられます。が、当然レシピが違うのでそれぞれのお店で微妙に異なります。

 朝食

普段家庭で何を食べているのか友達に聞いてみると、結構みんなしっかり食べていました。
特に、朝食は食べる人が多かったです。
こっちでは朝に甘いクロワッサンやオートミール、コーンフレークを食べるのが普通なので、日本よりは朝から食べやすいものが多いと思います。
スーパーにも朝食用のパンやクロワッサンが所狭しと並んでいます。


・1番のおすすめはこれ。忙しい朝でも5秒で食べれます。最安1ユーロですが、だいたい1.29ユーロです。多分定価は2ユーロくらい。
そして、みんな学校でも朝からコーヒーを飲んでいましたね。
休み時間(だいたい午前11時ちょっと前)にはコーヒーマシンの前に行列ができるほどです。
私は8ヶ月くらいオートミール65gにプロテイン1スクープ、後の2〜3ヶ月はクロワッサン一個にプロテイン、残りはライスケーキ(せんべいみたいなやつ)とプロテインとオレンジジュースなどでした。
⇨詳しくは自炊の記事で紹介しています。

 昼食

昼食もしっかり食べている人が多かったです。
短期間の滞在の人はパニーニを買ったり、レストランやバールに行ってパスタやちょっとしたお肉を食べていました。
我々長期滞在者は毎日そのようにしていたら破産しますので、学校が終わったら一旦家に帰ってお昼を作って食べることになります。
先生達はお弁当を用意してきていました。
中身は何かしらの一品をタッパーにぶち込んだだけ、みたいなもので、学校のレンジでチンしていました。
レンジがある部屋でまだ授業が続いていても平気でチンし始めます。

毎日調理することは面倒だと思うんですが、それが一番安全で安い方法ですので何とか頑張って欲しいところです。
お昼にしっかり食べる人はパスタを茹でてもいいと思いますし、軽く済ませたい人はフルーツだけでもいいと思います。
私は初期の方は卵3つ、ブロッコリーかパプリカ(イタリアのブロッコリーの虫の多さに引いてからはほぼパプリカ)、プチトマト、鶏肉(初めは胸肉でしたが、高いのでももに変更しました)、グレープフルーツ1個、を食べていました。
量的にはそんなに多くないですし、用意するのも楽なので続きましたが、果物や野菜のクオリティが安定しないので、野菜をなくし、果物をパックのフルーツジュースに変えた結果、卵と鶏肉だけになりました。
ほかに、休み時間に軽食をとるのもいいと思います。結構みんなムシャムシャ食べています。
おしゃべりしながらナッツ類を食べている人もいましたし、砂糖入りのエスプレッソを飲んでいる人もいました。
私も休み時間はバナナか、朝食で食べているのと同じクロワッサンを食べていました。学校での間食は携帯性がよくゴミも最小限のパック売りのクロワッサンがお勧めです。
バナナは携帯性はいいですが、皮用のゴミ袋が必須になります。野菜の袋などを代用しましょう。

 夕食

夜もやっぱりみんなパスタを食べているようです。
パスタに何をかけるかは千差万別で、塩とオイルだけの人もいました。
あとは何らかのお肉を食べるか食べないか、という感じでした。
私も毎日パスタと鶏肉か豚肉を食べていました。
朝昼しっかり食べて夜は食べない人(特にお年寄りなど)もいるようです。

レストランなどでは基本的にパスタかピザを食べて終わり、という人がほとんどで、本当に一人一皿で終わり、という感じでした。
私はカロリー的にパスタとお肉を食べたかったので、レストラン(安いところ)では基本的に二品頼んでいましたが、周りは「そんなに食べるの?」と言っていました。
同じように二品頼むのは他に一人だけいましたが、パスタと肉を頼むと「ちょっと多くない?」という反応をされます。
かなり意外でしたが、ほとんどの友人はパスタやピザだけ、もしくはお肉だけだったんです。
レストランのイタリア人っぽい人たちはおばさま含めパスタの後にお肉も食べる、みたいにやっていましたが、留学生友達はみんな少食だったのかも。
日本だとイタリアンを食べに行って一皿で終わることって少ないですよね。

コペルトとしてパンが必ず出てくるのと、お肉には焼いたポテト(5ユーロくらい)がつけれたりするのでお肉だけの注文でも結構満足できます。

ちなみに、フィレンツェのパンは味がありません。
塩も砂糖もなんにも入ってないので、他の料理によく合うという事なんですが、個人的には普通のパンでいいと思いました。


・スーパーで買った硬いパン。4つ入り。留学9ヶ月目くらいで前歯が欠けました。

 レストラン

レストランといっても看板にそう書いてるだけで普通の飲食店だったりすることも多いです。
オステリアの方が雰囲気があったり本格的なこともあるので、あんまりレストランだからとか食堂(オステリアやタベルナ)だからとかは気にしなくていいと思いました。
店を決定する前にGoogleのレビューやお店のホームページを必ず確認しましょう。Googleレビューでケンカしている店主の店は何かしらおかしいことが多かったです。
たまにオステリア(ミシュラン2つ星)なんてのもあるようで、十分に気をつけましょう。
日本との違いは、大抵のレストランや食事できるところでは野外席があり、外でも食事ができます。
もちろん外国人でも中で食事できますが、グリーンパスのあれこれで大人数だとなかなか難しかった(全員が有効なパスを持っているわけではない等)こともあり、よく外の席で食事していました。
夏の夜なんかはめちゃくちゃ暑くて、蚊もいるし個人的にはしんどかったんですが、当時の夏はコロナの関係で店内での飲食が禁止だったのもあり、みんなでサッカーを見ながら野外席で食事していました。
冬は寒くて外で食事なんて正気の沙汰ではないので、そもそもテラス席がないか、ビニールで壁を作って火が焚かれていることが多かったです。
あと基本的に道はガッタガタなので椅子や机がかなり傾いていて危ないことが多いです。
食後はリモンチェッロかグラッパのショットをサービスでいただける場合があります。喉が焼けますが、消化や胃にいいらしいのでいただいておきましょう。

できればお気に入りの店を見つけて、そのレストランのウエイターと仲良くなりましょう。
学校にはない最高の教材は、現地で暮らしている現地の人間です。
ウエイターやお店の人と仲良くしていると必ずいいことがあります。
私と友人がよくいっていたレストランではフォカッチャ(ピザの形をしていました)が一枚無料で出てきたり、大人数の時はプロセッコがサービスで一本出てきたりしていました。
最終日にはワインのボトルをお土産に持たせてくれました。
私達は単純に毎週行っていた時期があって自然に仲良くなったので、打算ありきで仲良くなったのではないのですが、皆さんも仲良くなれるチャンスがあれば飛び込んでみてください。

 日本食

留学には日本食が懐かしくなるという問題がつきものですが、私も半年くらいでついにパスタ主体の食事に拒否反応が出てきました。
日本食を全く持って行かなかった場合でも、アジアンマーケットである程度のものは手に入ります。
スーパーに売っている日本っぽいものは全て高すぎたり、日本人の求めるクオリティではないことが多いです。
おにぎり一個300円です。しかもなんとえびカレー味!!

基本的に醤油などの調味料はアジアンマーケットの方が安いです。⇨詳しくはスーパーの記事に記載しています。
日本食レストランは怖くて行っていませんが、結構そこら中にあって、なぜか中国人が料理しています。
寿司屋さんもかなり多いです。

学校で話題になっていたのは、「iyo iyo」というお寿司屋さんでした。
写真で見る限り普通のお寿司っぽいですが、私は怖くて行きませんでした。でも日本人オーナーがちゃんとしているところです。
あと海外のお寿司屋さんって食べ放題が多いのはなんでなんでしょうかね。イタリアにも食べ放題のお店がありました。

「iyo iyo」

 ピッツェリア


・ナポリのピザ。うまい。でかい。安い。間違いなく世界最強です。

イタリア人の先生に「イタリア人はピザを1ヶ月に1回食べるか食べないか」と言われて驚いたんですが、本当のところはどうなんでしょうね。
ピザ屋さんではめちゃでかいピザが7ユーロくらいから食べられます。値段は具材によりますが。
フィレンツェのピザはナポリピザっぽいフカフカのピザです。
ナポリのピザはなんと3〜4ユーロくらいでした。
カットしてくれてない場合が多いので、自分でナイフとフォークで切って食べます。手で食べる人もいれば、ナイフとフォークだけで食べる人もいます。

普通、一人で一枚を食べます。日本ではシェアが当たり前なところがありますね。
たま〜に残ったピザをみんなでシェアしたりはしていましたが、イタリアでは基本的にピザのシェアをしないので、一人一枚食べます。
イタリア旅行に行ったことがある方ならわかると思いますが、ローマもナポリもフィレンツェもピザめちゃ大きいですよね。
実際、一人で食べきれず残す人も多いです。(基本的に全部持って帰れます)

帰国後に出会ったイタリア人マルコが、「フィレンツェで食べて美味しかったものでピザって答えたらぶん殴ってやる。」と言っていました。

 ビステッカ・フィオレンティーナ


・でかい!

フィレンツェといえばビステッカ・フィオレンティーナですね。
かの有名なめちゃでかいステーキです。
写真を見ていただければ分かる通り、基本的にかなり赤い状態のレアでいただくんですが、お肉が分厚すぎるうえにレアすぎるので、ほんとにどうぶつ奇想天外みたいなビジュアルになります。
でもイタリア人はレアのお肉が好きだそうで、上で出てきたマルコもレアが好きすぎて焼肉も五秒くらいしか焼かないと言っていました。
お店によってはキアニーナ牛ではないのにビステッカ・フィオレンティーナと誤認させるような看板を出しているようなところもあるので注意しましょう。

このレアでいただく食べ方に抵抗がある人にはあまりいい思い出にはならないかもしれません。
実際私も、もう少し焼いてほしいなぁと思うことが多かったです。
お値段は100g4〜5ユーロくらい、たいてい700とか800gか、1kgドンっと出てくることが多いです。
個人的には一度は食べてみてほしいと思っていますし、多分次行っても文句言いながら食べると思います。

 魚

フィレンツェには海がないため、魚が高いです。
魚屋でもスーパーでも関係なく同じように高いので、私は月に一回も買えず、留学後半はもうコーナーに立ち寄ることすらありませんでした。
鮭が100gで30%オフしてくれても200円以上で、日本のように一切れとかで売っていないため1パックだと結構します。

そして、価格に反比例して鮮度が終わっています。
タコは明石のものかと思うほど高く、イワシからは墨汁のような汁が出ていました。
タイみたいなフォルムのNASELLOはどうもタラの仲間のようですが、こんな死んだ目をした謎の魚に1000円も出せる日本人はいないと思います。
だいたい割り引かれていますが、値札は割引後の価格です。


 ランプレドット

フィレンツェといえばランプレドット、というくらい有名な郷土料理です。
フィレンツェに来たのなら一度は食べるべきだと思います。
ランプレドットは牛の4つある胃の一つ(第4胃)を調理したものです。
その地域ならではのものや郷土料理を食べることは最も重要だと考えていますが、この内臓系が苦手な人はフィレンツェにもかなり多く、名前を聞いただけで「オエッ」っというジェスチャーをする人もいるほどです。
私は個人的に結構気に入っていて、同じお店でよくパニーニを買っていました。
このランプレドット自体は他のホルモンと同様味はそんなになくて、ソースや煮込むブイヨンによって変わります。


・ランプレドットのポルペッタというかコロッケみたいな料理。断面を撮りたかったんですが、よくわからないですね。


・内臓系のラビオリ?のような料理。ソースがいい感じです。やっぱりソースありきかもですね。

お店では、これの煮込みや、煮込みをパニーニに挟んだものを買うことができます。スーパーでも生か茹でたものが売っています。

うまいかと聞かれたらそんなになんですが、癖になるというか、何となく好きになったものです。
パニーニならだいたい5ユーロ。
私はフィレンツェに来たら絶対に食べます。


・スーパーに売っている様子。

 ジェラート

フィレンツェでは夜中までジェラート屋が開いています。
これもたくさんのお店、たくさんの味があるので自分のお気に入りのお店を見つけましょう。
大抵2つのフレーバー+コーンが3ユーロくらいで買えます。
美味しいかどうかはお店とフレーバーによるので何ともいえませんが、日本より安く外でコーン付きのアイスを食べられるので満足していました。
3ユーロ前後なので、基本的にハーゲンダッツくらいの値段になりますが、31アイスクリームよりは安いです。
値段は微妙なラインですが31アイスクリームよりは確実に美味しいです。
でもハーゲンダッツより美味しくないお店もあります。日本にない味(ココナッツ+ピスタチオ等)が多いので気になったら是非試しましょう。
店員さんにおすすめを聞くのもありです。

おすすめを聞こう
私、日本で初めて行く飲食店では大体おすすめがあるかどうか聞くんですが、7割くらい変な空気になります。
注文を取る人がアルバイトの場合、特にポリシーがないことが多いので当然と言えば当然なのですが、イタリアでは100%自信を持っておすすめを紹介してくれました。
出店であろうが、レストランであろうが、Venchiであろうが、「初めてなんですけど何かおすすめはありますか?」とかフィレンツェっぽいものはどれかとか聞くと、「おすすめはこれだよ!」と強く勧めてくれます。
希望を伝えるとさらに具体的に教えてくれます。
個人的には、商品知識や商品への愛が日本よりも強いのかなという印象でした。もちろん、日本でもプライドを持っておすすめを紹介してくれるところもあります。
みなさんも騙されたと思っておすすめを聞いてみてください。

個人的には日本と比べて果物系はあまり美味しくないかも、という印象でした。

おすすめのジェラート屋⬇︎
「Gelateria Edoardo」
完全無添加の自家製ジェラートということで、BIO至上主義のイタリアでも人気です。
「Gelateria dei Neri」「Venchi」のような行列のできる店ではなく、数分待てばすんなり入れます。
個人的にはピスタチオ(お店ではではなくで発音しましょう)がおすすめです。あとはジャンドゥーヤのようなイタリアっぽいチョコや乳製品のものをお勧めします。
ここはレモンも美味しいですが、レモンだけは31の方が美味しいです。
観光客に大人気のVenchiのジェラートは私には甘ったるい海外のお菓子って感じで好きじゃなかったです。チョコは美味しいですよ。

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 フィレンツェの料理の味について


・フィレンツェの代表料理、アリスタ。なんとも言えない味付けと、名前の由来やストーリーも含め、一番好きな料理です。赤いのはひよこ豆です。これで1人分!でかい!

レストランや飲食店において重要な味についてですが、慣れるのに時間がかかるかも、という印象でした。

フィレンツェで先生に「私が一番美味しいと思う店」として勧められたお店でも、初めて行った時は「そんなにか?」と思ってしまいました。
二回目以降や、滞在後期になると体があの味を求めているという状態までに仕込まれました。

ヴェネツィアに行った時は海産物の当たり外れはあるものの、初見でも美味しくて驚いたお店もありましたが、フィレンツェで行ったお店はある程度人を選ぶかもなぁと思うところが多かったです。
そういえばローマもそんな感じでしたが、ローマでは美味しくて驚いたピッツェリアなどがありました。ナポリも言うまでもありません。
一方でフィレンツェのピッツェリアはどこも普通で、「まぁこの具材が乗ってたらこんな味がするよね」というものばかりでした。

滞在後期は無理してでもレストランに行こうと思っていたので、フィレンツェの有名店はあらかた行ってきたと思いますが、もちろん当たり外れはありました。
間違えてビーガンメニューを頼んでしまったり、味が濃すぎたり逆になかったりすることもありましたが、最終的にはフィレンツェの料理、トスカーナ料理は好きな料理になっていました。
ほんと、慣れると美味しいんです。変なハーブ類とか、塩しただけのお肉とかも。
なので、ぜひ予算の許す限り食わず嫌いせずにチャレンジしてみてください。


・トスカーナで食べられている”らしい”、鳩のグリル。鴨みたいな感じでした。食べないでいいと思います。

おすすめとしては、予算の最終着地地点が見え始めるラスト1−2ヶ月のあたりからレストランに行く用の費用を用意してみてください。
一回40〜50ユーロで収まるようにしましょう。
デザートを頼まなかったら帰りにジェラートを食べてくださいね。
デザートはティラミスがおすすめです。いろんなお店のティラミスを試してみてください。


・ティラミス。拳くらいあります。うまい。

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