フィレンツェ洋服事情

どんなに準備をしていても服は必ず現地で買う羽目になります。
どうせならイタリアのファッションに身を委ねてみませんか?


フィレンツェの服屋さんでは、日本でよく見るような服はあんまり見かけませんでした。もちろんあることはあります。
ただ、いわゆる大学生ファッションや、B系とまではいかないまでもストリート系が好きな人や韓国ファッションのような服装が好きな方はちょっと苦労するかもしれません。
いわゆるトラディショナルなシャツとパンツ、ジャケット、革靴、という服屋さんが圧倒的に多いですし、安いです。
私は偶然にもそういうカチッとした服装が好きだったので、服探しには困りませんでした。
私が留学生活で行った服屋さんと、おすすめの選び方について紹介します。

 どんな服を買うか

まず、出発する季節によって持って来られる服の量が変わります。
自分の持っている服を全て持って来れない以上、何かしらは現地調達する必要が出てきます。
どんな服を買うかということですが、普段から服が好きでよく買っている人なら心配ありませんが、持ってきた服に合う服を買う必要があります。
黒や暗い服をメインで持ってきていればだいたい何でも合いますが、考えなしに持ってきてしまったり、考えなしに安いからと買っていると、どれもがどれにも合わないという恐ろしい結果が待っています。
持ってくる服は全てのバランスを考慮する必要があるわけです。

靴や服のサイズのことは一旦置いておいて、黒のパンツを持っていくならシャツは何を買っても大体合うでしょう。しかしそこにジャケットを着ると話が変わってきます。
その辺りのバランスがわからない場合は、無地で似たような色のものを買うようにしましょう。
もしくは、黒のパンツと黒のジャケットを持ってきておけばもうシャツは何色でも成立するので、その方がいいかもしれません。実際私は学校に行くときはほとんどそんな格好でした。悩まなくていいですし。

さらに、できるだけ日本に帰った時も着続けられるようなものを買いましょう。買ったけど帰る前に捨てたとか、着なくなったとか、同じ色がダブったとかだとちょっと勿体無いですよね。
例えば、留学にはコートを持って来れなかったけど、日本ですでに黒のコートを持っている場合、黒のコートをイタリアで買ってしまうと帰った時にダブりますよね。
黒のコートを持っているなら紺のコート、紺も持っていれば黒寄りのグレー、それも持っているなら、ジャケットを選ぶようになりますが暗い茶系、それも持ってる場合は暗いグリーン!
とにかく留学に持ってきた服に合うものを第一に考えつつ、帰っても着れるものかつ持ってない色やモデルを買うようにしましょう。

 サイズ

サイズに関しては必ず試着してください。イタリアサイズ表記もそうですが、ヨーロッパサイズなので袖が長かったりします。
シャツも大抵試着できます。ポロシャツでさえ試着できます。なので買った服は一回洗濯していました。
同じ店で買うとしても毎回試着することをお勧めします。ラインによってサイズが若干違ったりする場合があります。
靴は個人差が大きいので特にしっかり試着しましょう。

服は何でもいいという方はもしかしたら参考になるかもしれません。

 セール・商品入れ替え

当然イタリアにもセールがあって、季節の変わり目かその前には大きなセールがやっています。
洋服屋さんは定番商品以外は基本的に再販がなく、一回売り切れたらそのまま別のラインの商品が並んでいく流動的なスタイルなので、いいなと思ったら寝かせずにすぐ買いましょう。
日本でも同じ事ですが、フィレンツェは世界有数の観光街なので、財布の紐が緩んだ外国人たちが毎日のようにお店にやってくるわけです。
そんな中いい感じの洋服があったら、1ヶ月もすればもう売り場ごと無くなっている事だってあり得ます。
しかしこれを逆に利用することもできます。欲しい色やモデルがないときに1ヶ月くらい待っていれば理想のモデルが入荷することがあります。
私の時も、欲しい色で理想のモデルのコートがなくて、1ヶ月くらい探し回っていたらラインナップが変わって奇跡的に入ってきていて、欲しいサイズがある状態で買う事ができました。
あと、欲しいものがある時はそのお店のホームページをチェックしてみましょう。入荷やセールの情報があるかもしれません。

実際に下に記載しているショップにおいても、1ヶ月もすれば以前見た商品の半分は無くなっている事がほとんどでした。残っているのはめちゃでかいサイズだけ、など。
セール商品は大体そんな売れ残りのものばかりですが、自分のサイズに合ったものが残っていて何十%オフ!ということもありました。
欲しい物というより、必要なものがある時は迷わず買っておく方がいいと考えます。例えば冬、コートが必要な時に売り切れていたらもうどうしようもないですしね。

 フィレンツェにある主な服屋さん

フィレンツェではレディースよりもメンズファッションの方が勢いがあります。
中心街だけでなく、たくさんの紳士服屋さんがあります。
日本とは逆ですね。
逆に女性は服を買うのにかなり困ると思います。
女性用のいいものは高くて留学生には手が出せないことが多く、結局H&MやZARAで買っている人がほとんどでした。
ネット通販も発達しているようなんですが、安くないことが多かったのでイタリア版ZOZOTOWN(ZALANDというアプリ)のようなものは利用せずでした。

一応私の体験に基づくものとして、男性服についてをメインに書いていきます。

 H&M

おすすめ度★★☆☆☆
H&Mはどこにでもありますよね。
フィレンツェのH&Mは本当にフィレンツェの中心、目抜き通りにあります。
日本のH&Mと違った様子はありませんでした。黒人の怖いお兄さんが門番で立っているくらい。
ここで服を買うことはありませんでしたが、先生や女子生徒はここで買うことも多いと言っていました。
売っているものは時に何の変哲もないもので、イタリアっぽいとは言えない普通の服です。
高くはないんですが、決して安くもないんです。例えばシャツも20〜30ユーロと結構高い割にそこまでの付加価値もないという感じです。
ちょっと部屋着が欲しいという時に使うのはありかもしれません。10ユーロくらいで部屋着くらいのものは買えます。
そういう時にユニクロがないのが本当に辛かったです。
毎日行列ができるほど混んでるのであんまりお勧めはしません。

 ZARA

おすすめ度★★☆☆☆
これも目抜き通り、H&Mの近くにありますが、ここもいつも行列ができています。土日はもう長蛇の列です。
ここも日本のZARAとそう変わらず、安くもなく高くもなくという品揃えです。
部屋で着るトレーナーやカーディガンなどの無地で何でもいい、というような服はここで買えます。
フィレンツェにいる女性はZARAで服を買う機会が多いんじゃないでしょうか。
個人的に気に入った商品も無かったのと、日本にもあるからという理由で私は一度も利用しませんでした。

 Levi’s

おすすめ度★★★☆☆
これも中心街にあります。日本とラインナップは同じで、期間限定商品も同じように入ります。
この点は日本と同じものが手に入る、という考え方もできますが、私は使いませんでした。
皆さんもご存知のように、ものは間違いないのでお金に余裕のある人やリーバイスファンの方はマストで押さえておきましょう。
そうでなくてもTシャツなどはここで買ってもいいかもしれませんね。

 OVS

おすすめ度★★★★☆
ヨーロッパ版ユニクロのような存在です。
フィレンツェには2件あります。お勧めは大聖堂からまっすぐ駅の方面へ行った道にあるお店です。
ここはレディースも充実しています。ここでしか服は買わない、という先生(女性)もいました。
企業コラボのTシャツやカジュアルなものからスポーティなもの、フォーマルなものまで多岐にわたって展開しています。
値段もそこまで高くなくて、シャツは20ユーロくらいから買えるはずです。
私は間違えて半袖のシャツを買ってしまいましたが、到着間もない頃だったというのもあってビビって返品できませんでした。
レシートがあれば返品またはその分の商品と交換などはしてくれます。
このOVSは少し価格が高めの「PIOMBO」という自社ラインを展開しているんですが、これは結構街でも着ている人を見かけました。ジムでTシャツを着ている人もちらほら。
OVSで買ったのは、間違ったシャツとボクサーブリーフ1着、セーター(PIOMBO)だけでしたが、お店はいろいろ置いてあって飽きないので学校の帰り道によく来ていました。
まれに謎の日本語のロゴのトレーナーやTシャツが置いてあります。

 Gianni Lupo

おすすめ度★★★☆☆
買うことこそありませんでしたが、個人的に結構好きなので紹介しておきます。
万人受けはしないというタイプだと思うので★3つ。
秋から冬はいい感じのものも多くて、セーター類なんかは高過ぎないくらいの価格帯で、外から眺めてはいいなぁと思うことが多かったです。
シャツはドぎついものが多かったりするんですが、結構日本で売ってる服の雰囲気に似ている気がしました。
コートがかなり安くて、150ユーロとかなのに生地もまぁちゃちくなくて、色も落ち着いた普通の感じだったので興味のある人は見てみてもいいかもしれませんね。

 United Colors of Benetton

 

おすすめ度★★★★☆
なぜか地図に表示されないのでリンクはキッズの店舗ですが、正面に大人用の店舗があります。
日本では残念ながら実店舗がなくなってしまいましたが、ヨーロッパでは結構どこでもあってユニクロくらいの知名度はあります。
ちなみにこのブランドはイタリア発祥なので、せっかくならこういうところで買ってみてもいいかもしれませんね。

フィレンツェでもレディース、メンズ、キッズ何でもありますし店舗もたくさんあります。
日本では通販サイトで流通しているのでよく買っていたんですが、こっちでもセーターとハリントンジャケットを買いました。
値段はそこまで高くないですが、品質は全く問題ありません。
セーターは40ユーロくらいでした。ジャケットはずっと探していて欲しかった柄とモデルだったので149ユーロでしたが買いました。内側のロゴラベルが変な位置にある以外は満足しています。
メンズは種類が少ないんですが、たまに覗いていいものがあるかチェックしましょう。

 Gutteridge

おすすめ度★★★★☆
ここはかなりお世話になりました。
シャツやブレザー、スラックスなどのイタリアっぽい服が普通の値段で買えます。
いわゆるLARDINIやTAGLIATOREなどのイタリアブランドは高すぎて買えないという人も、ここなら手軽にイタリアのファッションを体験できます。
価格帯ですが、シャツは30〜49ユーロくらい、ジャケットは129ユーロ暗いから、パンツは80ユーロ前後なので、日本でBEAMSやSHIPSなどで買い物をしている人なら安く感じるくらいかと思います。
イタリア製ではないようで、品質は日本のものほど良くはないですが、フォルムは綺麗なのでサイズに気をつければかなり決まると思います。
これも目抜き通りにありますが、川に向かう道にも一軒あります。目抜き通りの方が品揃えがいいかも。
日本で代理店がないのでイタリアならではのものです。

 Dan John Firenze

おすすめ度★★★★★
ここもかなりお世話になりました。何より安い!
ここでもトラディショナルなイタリアっぽい服が売っています。
シャツは19ユーロから買えます。セール時期はポロシャツが9ユーロで売っていました。
いい感じのシャツは29ユーロですが、それでもZARAで買うよりはいいんじゃないでしょうか。
私はシャツ数枚とタートルニットなどを買いました。ニットは29ユーロでしたが、見た目は値段ほどチープではなかったです。ちょっと生地が薄いですが。
大聖堂から徒歩1分の立地でアクセスしやすく、二階建てなので色々見れます。
ただ安い分、シンプルなもの以外は結構ダサい感じでした。
ここでジャケットやコートを買うならベネトンやGutteridgeで買った方がいいかも。シャツや軽い羽織りものはDan Johnで。

 注意するポイント

フィレンツェでシャツを買うと気付きますが、畳んだ状態を固定するために至る所にピンが刺さりまくっています。
安全ピンではなく、普通の針です。
気をつけて開封してください。

サイズは例えばジャケットなら「44」のように買いてあります。
170cmくらいの普通体型の人なら44か46でいいんじゃないでしょうか。50はもう相当でかいです。
イタリアブランドをよく買っている人なら自分の大体のサイズがわかっていると思いますが、こっちでは結構袖が長めです。
コートは下に厚着をすることを想定して、ワンサイズ上を買うこと。
パンツも裾が長めだと思います。裾上げは頼めると思うんですが、聞かれませんでした。

あと、防犯タグがつきっぱなしという事が一回ありました。
やはり店員が雑なのでこの辺は仕方ないんですが、お昼時に行くとろくに接客されない可能性があるので一応注意しましょう。