私は出発前から、「せっかくイタリアに行くんだから、本物のイタリア料理のレッスンを受けたい」と思っていて、現地で色々聞くうちに最適解を見つけたので共有したいと思います。ちょっとお金はかかります。
Cucina Lorenzo De `medici
初っ端で終わってしまうんですが、中央市場の2階に「CUCINA LORENZO DE’ MEDICI」という料理教室があるのでそこをお勧めします。
日本でいうABCクッキング的なものですね。
⇨ホームページはこちら。
中央市場の記事に、市場の雰囲気がわかる写真を載せているので、そっちの方が気になる方はご覧ください。
私はこの料理教室の魚料理のレッスンを2回受けられるパッケージを購入しました。
レッスンは基本的に2〜3時間程度あり、2〜3品作れるようになっています。(料金によって異なります)
材料はもちろん、エプロンからメモ帳、レシピまで全て揃っています。料金さえ払えば身ひとつで行くだけで大丈夫です。
費用
気になる料金ですが、値段だけ見るとやや高いなという印象です。
私の受けたレッスンは3時間以上あるものだったんですが、3時間のレッスンが2回分(エプロンや材料費も全て込み)で245ユーロです。高い!
確かに金額で見るとかなり高いんですが、個人的には価値ある時間だったと思っています。
私はパッケージしかないのだと勘違いしてパッケージで購入しましたが、それぞれのコースが単品で購入できます。
例えば2022年1月前半の時間割を見てみましょう。
驚くべきことに1月2日からもうやっている(イタリアには三ヶ日の概念がないので)んですが、人が集まらなければ流れます。
例えばこの1月6日(この日は祝日)の「corso di coppia」を受けたいとすると、11:00から13:00の2時間のコースで150ユーロとなります。
高いですが内容は豪華で、カヴァテッリというパスタ(今回はそれにイカ墨を混ぜて黒くしたもの)のイカのラグーソース。
このlardellatiの部分の説明が難しいんですが、なんにせよテナガエビをどうにかしたもの。
1月6日のもう一つの方は、1時間半と短いですが25ユーロとかなり安いですね。
内容はとてもイタリアらしくて、1月6日の祝日をビスケットを作って祝いましょうというもの。靴下の形にするのが伝統なんでしょうか。
このように様々なプログラムが組まれているので、好きなものに参加しましょう。
これらはもちろんそれぞれ一つずつ買うことができます。
そして、ここはイタリアならではかもしれませんが、例え魚料理のパッケージを購入していても金額的に問題がない(パッケージの合計金額を超えない程度)なら別の料理のコース(例えばスイーツやパスタのコース)にも参加できます。
かなりフレキシブルなのでとりあえずパッケージでもいいんですが、パッケージはレッスンのボリュームが高い分、値段も高いので、ホームページか料理教室の前の掲示板でどんなコースがあるかチェックして、それを単品で購入してみましょう。パッケージはプレゼントにも向いています。
購入方法
▶︎パッケージを購入する場合はこちらから。
▶︎単品で購入する場合はこちらから。
注意点があるんですが、言語設定を必ずイタリア語にしてください。英語だと極端に表示件数が減ります。
おそらく教えてくれるシェフが英語対応可能なものに限られてしまうのだと思います。※レッスン中の言語については後述。
・国旗が逆になるのでややこしいですが、文字で判断した方が早いですね。
●パッケージを購入する。
・私の購入したパッケージで説明します。「profumo si mare in cucina」の2コース分、245ユーロのものです。
・クリックすると、確認画面になります。それぞれ入力して「aggiungi al carrello」クリック。
・確認画面2。「procedi con l’ordine」をクリックします。
・当然ですが、全てローマ字で入力して下さい。特別難しい情報はないので、サクッと登録して完了です。
この後、メールが来ているか確認してください。
私の場合は同じようなメールが計4通来ていました。何かしらのバウチャーと、支払いの確認だけ確認できれば大丈夫です。
コースの選択方法
購入後、支払い完了のメールや登録完了のメールが何件か送られてきますが、参加方法がよくわからないままほったらかしになります。
よく読むと自分でメールや電話、直接行くなどして参加予約を取る必要があることが分かります。
基本的には、メールで「パッケージを購入した山本です。どのようにコースに参加できますか?」みたいに聞けば大丈夫です。
結構早く返信があって、かなり長文で送ってきてくれます。
よくわからない部分はしっかり質問しましょう。役所と違ってちゃんとこっちに寄り添って返信してくれるので安心して進められます。
私の場合ですが、どのように予約するかの質問をすると直近のコースの詳細を送ってきてくれて、「とりあえずこれのどれかなら参加できますよ。」という感じで教えてくれました。
この直近のコースについてですが、コースには最低参加人数がそれぞれ設定されているのでカレンダー通りにコースが行われない場合もあるため、現在アクティブになっているコースを教えてくれているわけです。
これに参加しますというとそのまま予約を取ってくれて、前日の18:00くらいに詳細メールが来ます。
上で書いたように、パッケージを購入した場合は金額内なら結構自由にコースを組めるので、これもメールで聞いてみましょう。
例えば購入したのが魚のレッスンのパッケージでも、金額内ならお肉のコースも受けられます。
レッスン当日の流れ
当日は「書いてもらう書類があるので開始20〜30分前に来てください。」と言われると思います。
ただし、他の人は絶対にこの時間に来ません。
とはいえ私たちは30分前に着くようにはしましょう。
市場に着いたらとりあえず2階に向かって下さい。
教室は北側の角にあります。
教室の前にインフォポイントがあるので、そこで「料理教室を予約した山本です〜。」と言うと、書類を渡されるので著名します。
名前、何県に住んでるか、注意事項の同意についての同意、アレルギーや病気の有無、などを確認するための書類です。全部で6箇所くらいサインしたと思います。
最後に、名簿にチェックを入れて終了です。5分もかかりません。
・インフォポイント。今は誰もいませんが、大抵誰かはいるはずです。
インフォポイントの人は料理教室のスケジュールについて把握しているようなので、インフォポイントに突っ立っているだけでわかってもらえるかもしれません。
書類を書くと、検温とグリーンパスの確認がありました。※2022年7月現在は何もないはずです。
そのあと、料理教室のエプロンとファイルがもらえます。ファイルの中にはレシピ、メモパッド(A4サイズ)、直近のコースカレンダー、チラシ、オリジナルボールペン、受講証明書が入っています。
エプロンはペラペラですが嬉しいですね。
受講証明書もA4のペラペラのコピー紙です。
レッスンスタート
時間になるとさっきのインフォポイントの人と一緒に教室に入っていきます。
ロッカーがあるので荷物を入れて、さっきもらったバインダーを持ってキッチンに行きます。
調理場に置いてあるエプロンをつけたらスタートです。
・魚が常温で放置されています。
・2回目のレッスンの時の貝達。でかいムール貝を洗ったり下処理をする体験ができます。
メモを持って前に行って、先生の説明を聞きます。
流れとしては、先生が前でまずキリのいいところまでやるのを見る⇨メモしつつ説明を聞く⇨各自戻って調理、を3〜4回繰り返すと完成している。という感じです。
材料は事前に準備されていますが、少量しか使わないものや、みんなでシェアするようなものは適宜持ってきてくれます。
調理器具もあらかた用意されているので、安心して下さい。
・いい感じですね。この時もシェフが色や温度などを確認しにきてくれます。
完成後はもちろんみんなで食べるんですが、この時ワインが当然のように出てきて、シェフも飲んでいました。
シェフが料理に合わせて選んだワインなので、驚くほど料理に合うのです。ぜひ試してみてください。
ワインがいるかどうかは出す前に聞いてくれるので飲めない場合は断りましょう。
食事中は料理についての話や、なぜここでこの食材を使ったかなど、みんなでちょっと会話します。
料理のメソッドだけではなく背景の文化なども感じることができて、ここに値段以上の価値(留学生にとっての)があると感じました。
・結構うまくできてませんか?魚のレッスンなので当然ですが全部魚。
炭水化物も必要だということなのか、ジャガイモを3つ使用しています。右の皿の黒い塊はイカ墨とじゃがいものサラダです。
・2回目の料理たち。2回目はペアで料理する授業だったんですが、ペアのイタリア人マダムがちょっとしか持っていかなかったのでリゾットの量がすごいことになっています。
注意点
個人的にはうまく乗り切れたと思っているんですが、注意した方がいいなと思う点がいくつかあったので共有しておきます。
●イタリア語必須
ある程度のイタリア語ができないと予約の時点で難しいんですが、もちろん調理中も同じことです。
シェフの言っていることを理解するためにも、ある程度のイタリア語は必須と言えます。
●洗剤が置いてない
家庭で料理する際、都度食器や調理器具を洗いながら進めて行ってスペースを確保しつつ進めていくと思うんですが、教室ではその必要がなくてなんだか変な感覚でした。
というのも、洗剤とスポンジが置いてないのです。
なのでとりあえず濯ぐだけ、程度で済ませるしかなくて、魚を切った包丁やまな板を洗うことができすちょっと困りました。
キッチンの引き出しを適当に開けると包丁やその他の調理器具があるので勝手に使っていましたが、他の人はどうせ加熱するんだからという精神なのかお構いなく調理を続行していました。
一応ナマモノを調理する場合は、まな板全部を使わないようにするなど少し注意する必要があります。
最終的に全て火を通すので問題ないとは思いますが、一応気をつけておきましょう。
●魚を捌く必要があるなど、やや難易度が高い
魚のコースの場合、魚まるまる1匹を捌く必要があります。
私の場合は小ぶりの鯖でした。
これを3枚に下ろす必要があるんですが、一応やったことがあるのでなんとか可食部を損なわずにおろせましたが、全くの未経験の場合難しいのかなと思いました。
魚のレッスンを受けたい人は一応頭に入れておいて下さい。
加えて、全く料理をしない、という人には進行スピードがかなり早いなと言う印象でした。
私の時は主婦の方もいたので全体的に料理慣れしている人ばかりでしたが、包丁が怖い、とかだと難しいかもしれません。
●コンロがIH
IH自体に問題があるのではなくて、四つ口の外国のIHの操作方法って見ただけでわかりますか?ということです。
私は電源の付け方すらわからなかったのですぐに聞きました。
火加減は言うまでもなくかなり重要なので、わからない場合は初めに聞きましょう。
●ちょくちょく説明が抜けている
調理の説明通りに進めていると、シェフがやってきて、「言うの忘れてたけどこれ入れといて」というようなことが何度かありました。
進行に問題はありませんが、例えば焼く前に混ぜておいた方がいいものだったりすると、もう焼いてしまっていたら戻れないので一応シェフの動きに注意しつつ進めて下さい。
とは言ってもシェフはこっちの進行状況も見てくれているのでそこまで心配しなくても大丈夫です。
●外からめっちゃ見られる
別段問題ではないんですが、ガラス張りなので外から丸見えです。
さらに観光地ということもあって、遠慮なしに写真や動画を撮ってくる人や、中には入ってこようとする人までいました。入って何をするつもりだったのか。
特に害はないので、毅然とした態度で望み、調理に集中しましょう。
まとめ
冒頭でも述べましたが、高いけど行く価値あり、と言えると思います。
何より私のような留学生にとって、学ぶことの多い時間でした。
3時間以上のレッスンですがあっという間に終わります。この間に言葉はもちろん、リアルなイタリア人の食事風景を見ることができる上、運が良ければそれぞれの家庭での料理について聞くこともできたり、かなりお得です。
もちろん学校とは違い、全員が日本人やアジア人に差別意識が無いわけでは無いので距離感は注意しなければなりませんが、大抵話をしてくれるはずです。
朝10:00に行って帰るのは14:00とかでしたが、皆さんもぜひ検討してみて下さい。
留学生の方は、やや高額なこととイタリア語がある程度必要なことを考えて、留学の後半に行くことをお勧めします。
観光で行く場合は英語は最低限必須なのでその辺りだけ注意しましょう。