フィレンツェ留学においては夏の過ごし方の方が問題なんですが、部屋の位置によってはかなり寒いので冬のフィレンツェの過ごし方について書いていきます。
冬の気温
フィレンツェの冬についてですが、最低気温と最高気温の差が大きいのが印象的でした。
日本より一足先に寒くなり始めますが、日本より過ごしやすいです。風がなく、日が出ている日なんかは理想的な気候でした。
朝はマイナス1〜2度でも夕方くらいには10度を超えることが多かったです。
あと、結構嫌だったのは雨です。
11月から12月始めくらいまではほとんど毎日雨でした。例年この時期と4月は雨が多いようです。
気温からするとそこまで寒くないんですが、建物が欠陥だらけなのでずっといると底冷えしてきます。
学校では結構深刻で、正直数字的にはそこまで寒くないんですが、それでもずーっと座っていると冷え切ってきて手袋をしないと寒すぎたり、足が氷のようになってきたりと部屋が寒いことで起こる問題が多かったです。
季節としては、秋は寒いんですが、服装さえ間違えなければ理想的と言える気温だと思います。
夏はそこまで湿度が高い印象はなかったんですが、冬はしっとり湿っている感じで湿度が高く、寒いというか冷たいという感じでした。
●私の体感から見た月別(秋〜冬)の印象を記載しておくので、参考にしてください。
夏の記事にも書きましたが、10月になればもう暑さの心配はしなくていいです。
10月中旬の朝はもうすっかり寒いので、私は10/15にはヒートテックを着ていました。
この辺りで辛い夏は終わり、秋と冬がやってきます。
ちなみに蚊はこの時期でも全然います。
朝夜はかなり冷えるんですが、昼はじんわり汗ばむ日もあるので服装には注意しましょう。朝の寒さに気を取られていると、昼間に暑すぎる!となる事があります。
この時期は結構地域差があるようで、10月にナポリに行ったんですが、フィレンツェは十分寒かったので厚着して行ったらナポリはまだしっかり暑くて昼間辛かったです。
11月、学校やお店、ジムなどで暖房がつき始めます。
11月からしか暖房をつけてはいけない地域もあって、フィレンツェもそうらしいです。⇨家についての記事。
実際に朝夜はかなり冷え込み、多少厚着していないと学校に行く気が失せるくらいの寒さではありました。
この頃になると日没の時間はもう17:00とか16:30になります。もう気づいたら真っ暗、寒い、という感じです。
冬物を持って来れなかった人は、11月末までにコートや冬物を買っておいてください。
私の行った年の11月末ごろはかなり寒く、11月最終週は朝がマイナス2度の日もありました。
お昼は10度近くになるので、ヒートテック、長袖Tシャツ、シャツ、セーター、ジャケット、手袋でなんとかなる程度でした。耳はちぎれそうでしたが、コートはまだ冬に備えて我慢していました。
この頃から結露からくる湿気でカビが発生し始めます。必ず早めの対処を。⇨カビについての記事はこちら。
驚くべきことに、まだ蚊はいます。
冒頭でも書きましたが、11月初めくらいから雨が多くなります。傘を忘れないようにしましょう。
12月、クリスマスシーズン本番ということで街の至る所がイルミネーションで彩られていました。
クリスマスマーケットが開かれたり、フリーマーケットが開催されたりと街は賑わいを増します。
12/28、換気のために数時間窓を開けていたんですが、どうやら蚊が入りまくったようで、その日仕留めた蚊の数は12匹でした。
信じられますでしょうか。私は信じられませんでした。
この時期も蚊がいるのは事実なので、見つけたら必ず仕留めましょう。
中旬くらいまでは雨が多いので洗濯物が乾かない上に週末も出かけられないということがあると思います。
この頃にはもう寒さも本格的になってきていて、コートを着て学校に行っていました。
それでも11月と大きく気温は変わらなかったので学校に着いた時はちょっと暑かったですが、教室が寒いため朝来た時より帰るときのほうが寒いことがあるのでコートは着ていきましょう。
ちなみに語学学校は12月下旬から2週間くらい冬休みになることが多いです。
この期間に好きなことをしましょう。
12月になると寒いからか学校にちゃんと来る人もめっきり減って、クラスに私一人ということが何度かありました。
カビはおそらくこの頃がピークになるのではないかと思います。
1月、正月の概念がないので基本的にかなり早いタイミングで始まります。
2022年は1/3に授業が始まりました。
が、私のクラスは私以外誰も来ませんでした。
そのあと2週間くらいはほとんど一人での授業で、一日中一人でプライベートレッスンみたいなことになっていました。
ちなみに1月でも蚊はいます。
まだまだカビは生えます。
一月はずっと寒いので、服装には気をつけましょう。朝は0度くらい、夕方は10度くらいで気温差がありますが、湿度のせいか夕方も結構寒いです。
服装は12月と同じ装備で問題ないはずですが、コート、セーター、ヒートテックは必須です。
2月、初旬はまだまだ寒いしカビは生えるし蚊はいるしで、なかなか元気が出ない月ですが中旬から気温が上がり始め、春を感じるようになります。
春夏によくいたピッティ宮殿の前の広場で寝っ転がっている人たちが現れ始めます。
最低3-4度くらいから最高16-17度という鬼の気温差の日もあるので、冬の服装だともう夕方はかなり暑いと思いますが、朝や夜中はかなり寒いです。
インナーは薄めのヒートテックまでにしておいて、上着で調節できるようにするといいでしょう。
中旬から自転車に乗って学校に行くと結構暑いということが増えます。
3月、前半は2月のような感じで肌寒いこともあるんですが、お昼に太陽が出ていると、厚着だともうかなり暑いと思います。
インナーはさらに薄めにして、脱ぎ着できる服装にしておきましょう。
後半になると昼間などは結構暑くなってくるので、この頃からピッティ宮殿の前で寝ている人がかなり増えます。
当然ですがもう普通に蚊がいます。
個人差がかなりあるようですが、私の場合3月初めから花粉症のような症状が出始めました。
日本では花粉症の症状が出たことがないので、この地域特有のものかもしれません。
サマータイムの関係で、ある日を境に夜が長くなります。単に時計が進んでいるだけなんですが、不思議な感覚でした。
※イタリアでのサマータイムは今後廃止される可能性もあるようです。
帰る月の4月は初めの数日しかいなかったんですが、ほぼ3月の気温を引き継いでいます。
気温で言うとどんどん上がっていくんですが、太陽がない日は日本よりはちょっと肌寒いかもしれません。
朝は肌寒い、昼は太陽が出ていると暑く、夜はちょっと肌寒い、もちろん蚊はいる、という感じです。
サマータイムの関係でもう夜が長いので、バールなどにも活気が出始め、遅くまで街に人が溢れています。
早朝でも建物の中などは暑いかも。
この感覚のまま日本に帰ると間違いなく、「日本、暑!!」と思うと思います。
フィレンツェの気温について詳しいサイトがあるので、貼っておきます。
フィレンツェの平均気温
暖房について
フィレンツェの家にはほとんどクーラーがありませんが、暖房はなぜかほとんどの家や部屋にあります。
日本は昔から夏の過ごし方をメインに家を作ってきたので、この辺りの考え方が違うのは面白いんですが、この暖房器具も私から見るとまぁ欠陥を抱えています。
・イタリアで主流の暖房器具。ちょっと古いタイプですが、ほぼ似たような形です。
この謎の装置が暖房なんですが、仕組みは至ってシンプルです。
これは金属でできてるんですが、この蛇腹みたいなのが暖かくなって、部屋を温める、というものです。
と聞くと、めっちゃくちゃ熱いのか!?と思ってビビってたんですが、学校のは普通に触れるくらいの温度でした。
となると、教室なんて全然暖まらないんです。これが壁中に埋め込まれていたり、四方を囲っていたら話は別ですが、温風が出ているわけでも、超高温になるわけでもなく、ただほんのり暖かい金属の塊が隅っこにおいてあるだけ。
実際11月末くらいから教室は震えるほど寒く、その頃になれば毎日暖房はついているんですが、それでも全然教室の隅の方はもう寒いこと寒いこと。
確かに、ついていない時よりは多少温いんですが、それでもかなり近づかないとついているのかどうかも気づけないほど効果を感じにくいです。でも正直暖房がない教室とそんなに寒さは変わりませんでした。
この暖房で暖かいと感じられるのはよほど狭い部屋か、これの真ん前だけです。先生はよくこれにもたれかかって授業していて、自分は十分暖かいからか、「換気のために窓を開けましょうか」なんて言うんです。そりゃあんたらはそんな温いところにいるからそんな事が言えるんでしょうけど、こっちは窓なんて開けられたら手袋しないとペンが持てないほどなんです。
・ジムの更衣室の暖房。ここのはちょっとアチっとなるくらい温度も高くて部屋も狭いので、1mくらい近づくと「ん?暖房がついてる?」と気付けます。外から入ってきたばかりだとちょっと暖かいです。
そして、この暖房は学校のような大きな建物だと、全体の暖房を管理する中央管理装置のようなものがあって、オートマチックに暖房がついて消えるという仕組みになっているそうです。なので温度も変えられないし、時間も決められています。
アパートなどでは、自分でつける時間や温度を決めるパネルがついていることもあって、ある程度自由に決められます。
イタリアではそもそも法律で地域によって暖房をつけられる時間や日が決まっているそうで、この辺りにも国の違いが出ていますね。
私の部屋は自分で管理する装置がついていましたが、大家から暖房を使いすぎないように(月の暖房費150ユーロ以内にしろとのこと。この国では高いのか安いのか)と散々言われていてうんざりしていたのと、部屋の中はそこまで寒くなかった(逆に夏はめっちゃくちゃ暑かったですが)のもあって、結局一回も暖房は使いませんでした。
・ガス給湯器。「触るな!」と書いてますね。
・暖房のコントローラー。時計の形になっていて、何時から何時まで、というふうに設定したらあとは自動で付いて消えます。
大家の言う150ユーロが高いのか安いのかは分かりませんが、1ヶ月の暖房費が二万円を超えるなんてあるのかと思ってしまいます。
初め、家賃に加えてこれだけ払えと言ってきたんです。約9万円(光熱費込みですが)の家賃に2万円追加なんて冗談じゃないので、「じゃあ出て行きます」というと、「じゃあ150ユーロまで私が払うから、一日4時間までにして」と言われました。
私の部屋はそこまで寒くなかったのと、後からやいやい言われるのが嫌だったので結局一回もつけなかったんですが、イタリア人にとってこの暖房は冬には必ずつけるものらしいです。
というかオーブンで1時間くらい調理をしたら暖房はつけなくていいくらい部屋が温まりました。
大家が決めたルールで暖房を自由につけられない部屋も多くあるそうで、そういう場合、オーブンを温めて暖を取ったという話を聞きました。
この辺りも入居の時にしっかり話を詰めておきたいですね。暖房はつけていいかどうか、別料金の場合、月にどのくらい払うことになるか、など。
寒さ対策
●厚着。
原始的な対策ですが、部屋が寒い場合はとりあえずこれでもかと着こんでください。
ほとんどの場合、部屋が寒くても自由に暖房をつけられない(つけても寒い)と思うので、厚着するしかありません。
私の部屋は暖房をつけるほどではなかったんですが、部屋でパーカー、中にヒートテックでなんとか乗り切れました。
床が異常に冷えるので、靴下やルームシューズも履いたほうがいいかもしれません。そもそも床は汚いので。
●オーブンをつける。
大家に暖房を禁止されていたり、制約がある場合、オーブンを使う方法があります。
オーブンで料理すると部屋もある程度暖まるので、可能なら200度で30分くらい加熱、その後オーブンのドアを開けっ放しにすると熱が部屋に伝わります。
これは結構ポピュラーなのか、色んな人から聞きました。
●電気毛布。
寒さ対策最強のアイテムが電気毛布です。
4000円くらいしますが、フィレンツェなら大聖堂近くのDOMAILで売っています。
暖房が使えない、オーブンもだめ、となったらもう電気毛布です。
電気代を自分で払っている場合は使いにくいかもしれませんが、大家持ちの場合、これでもかと使ってやりましょう。
足元が寒い時、寝ている時に寒さで目が覚める、などの時は迷わず電気毛布を買いに行ってください。
電気代を気にしない場合、コスパ最強です。
まとめ
・寒いけどそこまで寒くない
個人的な感想としては、フィレンツェの冬はしっとり湿度が高めですが、服装を間違えなければそこまで寒くはありません。
が、たまに信じられないほど寒い日もあります。
・部屋は寒い
気温としてはそこまで寒くないんですが、部屋が寒いんです。
部屋にずっといるとどんどん冷えてくるので、必ず厚着したり暖房をつけたりして対策してください。
季節の変わり目はほぼ間違いなく体調を崩すので、特に10月11月は注意してください。
・暖房を過信しない
ついていると暖かいんですが、つけたから安心というわけではありませんし、県によって制約もあるので日本のものほど便利とは言えません。
ただの暖かい金属の塊です。しかもガス代が恐ろしく高いのだとか。
・雨が多い
毎年11月から12月くらいは雨が多いらしいです。そのせいで体感温度が下がって寒い!
傘は忘れず持っていきましょう。
・蚊はいる
12月も蚊はいました。
薄暗く、湿っているところにはチョウバエがよくいますが、これは跡が残るので手で叩き潰したりせず、ものを使うかスプレーなどで処理してください。
私の部屋に入るまでの階段や、ジムの地下によくいました。
・カビに注意
どこでもカビは発生するので、見つけたら即座に対処しましょう。
すぐに「anti-muffa」というスプレーを買いに行ってください。
カビ対策について詳しくはこちら。
・電気毛布最強
部屋でどうしても寒い!という場合は何ふり構わず電気毛布を買いに行ってください。