人間の生活に絶対に必要なトイレについて。
曲者揃いのイタリアの設備ですが、中でもトイレは絶対に避けては通れないので、早めに慣れましょう。
私の見た感覚では、配置が違うだけでどこでもほぼ同じような設備でした。
イタリア式トイレ
トイレの機能としては当然日本と同じなんですが、細かい部分で異なってきます。
なので書かなくてもわかる部分がほとんどです。
まず大きな違いとして、ほとんどの場合ユニットバスという点です。
日本のユニットバスとは違い、シャワールームは中で仕切られています。日本でもちょっといいホテルなんかだとこんな感じの構造(もちろん湯船付きですが)になってたりしますね。
シャワーは一旦置いておいて、写真の通り、イタリアのトイレは便器、ビデ、洗面台の3点セットが基本です。
・私の部屋のトイレたち。どこでもこんな感じです。
多少古い建物だともう少し広かったり、シャワールームの仕切りがなかったりします。
ジムのトイレにはビデがなく、小型のシャワーがついてました。
●ビデ
ビデはいろんな記事でも出てきていますが、要は用を足した後にデリケートゾーンを洗うための洗面台というわけです。
そんなバカなと思うかもしれませんが、先生は素手で洗うというのです。ティッシュを使わずに、とは言っていませんでしたが、どうも使っていなさそうな話し方でした。
私はそうやって使うことはありませんでしたが、実際ティッシュを濡らす程度に使うのが理想的だと思います。
学校でその話題になった時、これにまたがってバシャバシャやるとも聞いて本当にそんなことしてる人いるのか!?と思ってしまうんですが、どうもその辺りの感覚も違うんでしょうね。
友人のアレックス曰くフランスでは古い家にしかないそうです。実際「使い方知らない」と言ってました。
あと、この蛇口からもしっかり温水が出ます。
●流すとき
・ボーボリ庭園のトイレ。フィレンツェの美術館で一番綺麗なのはここのトイレです。
流すのはレバーではなくボタンが一般的なようです。
わかりやすく大きいボタン、小さいボタンで分かれていますね。
うちのボタンはボーボリ庭園のトイレと全く同じボタンでした。
バコンッと押し込みます。
中の構造はおそらく日本と同じで、一度流すとタンクに水が貯まるまで待たないと次が流れません。
後述しますが、非常に詰まりやすいので流れる量が少ない小さいボタンは、基本的に男性の小の時のみ使うようにしましょう。
トイレが詰まったら
フィレンツェのトイレはどうもよく詰まるようで、学校でもジムでも頻繁に溢れ出していました。そして放置。
私の部屋のトイレも一回深刻な詰まりが起きて、すぐに大家に連絡しました。
皆さんも完全に流れなくなった場合、すぐに大家に連絡してください。
完全に流れず溢れかえりそうな場合、決して流さないでください。
そうなったら結構重症なので、おそらく水道屋か何でも屋(鍛冶屋)を呼ぶことになります。この人たちももちろん土足です。
大家が偶然近くにいたのですぐに対処してくれましたが、復旧にまる1日かかりました。丸一日トイレは我慢!
これはもう業者に任せるより他ないので、私たちにできるのは紙を流しすぎないことと、洗面台(トイレと配管がつながっているため)に髪の毛を流さないことだけです。
・詰まったトイレ。大家が勝手に重曹(洗濯兼料理用の私物)とパイプ洗浄剤を入れたので濁っていますが、普通の水です。
左の歯ブラシは上がってきた水の中にあった髪の毛(後述の通り洗面台と繋がっているので落ちた髪などが浮いてくる)を取り除くためのものでしたが、何を思ったのか気づいたら大家によって普通の歯ブラシ立てに置かれていました。留学期間中で起こった嫌なことランキング3位くらいには入る出来事でした。
修理費用は250ユーロのところ、負けてくれて(?)200ユーロ。これは大家持ちです。一旦立替えましたが。
こっちのトイレは管が洗面台、ビデ、便器、でつながっており、三俣鉾のような形になっています。
大家が来るまでにラバーカップを買いに行ったんですが、この三又構造のせいで真空が作り出せなくて解決できず。
ちなみにラバーカップはイタリア語で、「Sturalavandino/Sturatore a Ventosa」です。sturare栓を抜く+ventosa吸盤ですね。
⇨ラバーカップを買った雑貨屋はこちら。
後から判明しましたが、洗面台、ビデを閉めるキャップ(ネジが切ってある)があったようで、それで全ての流し口を閉め、濡れタオルを隙間に詰めて水を張ってから便器の方でラバーカップを使わなければならないようでした。
この黄色ゾーンが配管だと考えてください。
トイレが詰まっていても、このように配管は繋がっているので洗面台やビデから水が上がってきます。
さらに、日本のトイレにあるような水を止める蛇口ハンドルがないので、水を出さずに空で流すことができす、水が減りません。
パイプ洗浄剤的なものはあるんですが、多分ここまで詰まると効果はないと思います。
私の場合、トイレや家の配管は新しかったらしいんですが、街の下水管はかなり古いらしく、そこで詰まったのではないかという話でした。
・業者さん(土足)。奥にちょっと雑巾が見えますね。
何でも屋さんが業務用掃除機というかこのR2D2みたいな機械で水を吸い上げたり、写っていませんが空気入れのようなものを駆使して格闘してくれて、30分くらいで水が流れるようになりました。
ということは本来このR2D2はとんでもなく不衛生なんだと思うんですが、なんのケアもなくびしゃびしゃにしていかれました。
治してくれたのは大変ありがたいんですが、床はビッシャビシャのまま、雑巾はトイレに浸けられて全滅、その水を踏んだ足で部屋中を歩き回られて精神的なダメージはかなり大きかったです。
水を吸い取ったあと、空気入れみたいなもの(まさにこれと同じもの)で真空にしてボコッと詰まりを抜いていました。ボコッというか、爆発音みたいな爆音です。
一回目のボコッの時、大家が勝手に入れた重曹とパイプユニッシュみたいなやつ(Mr,マッスルという商品名です)がスプラッシュして鍛冶屋が激怒がしていました。
そのあと大家に「Mr,マッスルは絶対トイレに使わないで」と言われました。勝手に使ったのはアンタだ。
このポンプは手動なのでチャージ?にかなり時間がかかるようで、10分くらいシュコシュコやっているのを無言で見つめ、ボコッ!の流れを2回経て詰まりは治りました。
・おまけ。死にゆくタオルたち。便器の方にもあります。
Mr.マッスル
大家が勝手にトイレに使ったMr.マッスル(みんなはMr.ムスコリと言います)ですが、本来髪の毛や詰まりを溶かして流すタイプのパイプ洗浄剤です。
となるとこんなものを流れないトイレ(詰まり部分に薬剤が届かない)に入れてなんの意味があるんだ、というのは誰でもすぐ思い至りそうですよね。
・液状タイプ。見るからにパイプを洗浄してくれそうですね。
TIGOTAなどの薬局でも買えますし、エッセルンガにも売っています。
水道を治してくれた何でも屋がいうには、使いすぎると配管を悪くするとのことでした。そんなこと言うとやっぱり大家は絶対に使うなと言って来るわけです。
でも事実としてシャワーや洗面台を使っていると必ず流れが悪くなって来るので、掃除を自分でしないといけないタイプの部屋の人は自己判断で使ってみてください。粒状と液状がありますが、粒状はお湯がいるのですぐに使えないため液状タイプがおすすめです。
大家がトイレに使ったのは粒状タイプで、水が溢れそうな便器にお湯を追加するという謎行動をしたので粒が全く溶けず、なんの意味もありませんでした。
●開け方
・曲者らしいキャップ。
注意したいのがこのキャップです。
自転車が趣味の人は問題なく開けられるはずですが、これ、子供の誤飲防止のために簡単には開かないようになっています。
普通に回すとバキバキバキッと音がして空回りし続けます。
パイプ洗浄剤はどんなものがあるのかネットで探していてMr.マッスルを見つけたんですが、いくつかのブログで「開けられない」と嘆いている人がいて、なんでだろうと思っていたんですが買ってから「そういうことか」とわかりました。
開け方は至ってシンプルです。
縦方向に押しつぶすくらいの力で思いっきり押し込みながら回してください。
すっと開きます。
これは自転車のチェーンオイルなどでも同じ構造のボトルがあって、これも誤飲防止のためにこのような構造になっています。実際開けられないと言っている人は多いです。
コツは、思っているよりも強く押し込むことです。
「キャップごとちょん切った人もいるらしい」と書いているブログもありましたが、大きいボトルは1回で使い切らないと思うので皆さんは切らないように。