フィレンツェの夏

フィレンツェ留学において、夏の過ごし方は死活問題です。
夏を生き延びさえすれば、あとは過ごしやすい秋と、めちゃ寒い冬のみです。
がんばりましょう。


 夏の気温

まずは私の感じたフィレンツェの夏についてですが、結論から言うと「日本よりは過ごしやすいと思う」という印象です。
変な言い方になっていますが、フィレンツェにおける留学生が住めるような部屋の9割はクーラーがないため、単純に日本との比較ができないのです。
が、クーラーがなくてもなんだかんだ苦しみながらでも過ごせたので、日本よりは過ごしやすいんじゃないかと思います。
扇風機さえあればクーラーがなくてもギリギリ生きれます。
日本でクーラーなしの生活、耐えられますか?多分本当に死ぬ可能性もありますよね。

とはいえ暑いのは暑いので、対策は必須です。
前提として、日本と比べると湿気が全くないと言えるほど湿気を感じませんでした。雨が降ってもあの嫌〜な湿気は感じませんでした。
湿気がないので建物の中に入ると涼しかったり(要は日差しから逃げられればいい)、影に入ると格段に体感温度が下がります。
ただ引き換えに、日本とは日差しの強さが段違いです。半袖で1日外にいるとあっという間に日焼けします。
しかし日焼け止めグッズがかなり高い上に、+マークが少ないので効果が低いです。


の体感から見た月別(春〜夏)の印象を記載しておくので、参考にしてください。

4月はとっても寒いです。朝も夜も寒く、昼もひんやり寒かったです。コートを着ている人もいました。

5月初めはまだまだ寒いです。
ちなみにサマータイムの影響で、5月の
夕焼けは20:00過ぎです。時間だけ見ると日本よりずっと遅いので、この時期から夏の終わりまで夜はかなり明るいです。
21:00くらいまではほんのり明るいんです。
なのでみんなすごい元気。
気温で言うと、5月末までに日差しはかなり強くなっていました。
気づいたことを走り書きしていたメモに、「5/20、すでに蚊が多い」と書いてありました。年中いるんですが、5月から確実に蚊を感じることになります。
5/31、ついに蚊に刺されました。蚊については後述します。

6月、日中ははっきり暑い日が増えました。6月から徐々に夏がジリジリ近づいてきます。服装はまだTシャツにシャツでも大丈夫でした。
6初旬でもうすでにめちゃくちゃ暑いんですが、冷たいシャワーを浴びたらすぐに落ち着く程度です。
ただこの頃から夜も暑くなってきます。蚊はもちろん毎日のように見ることになります。
寝るときには必ずハンディ扇風機をつけましょう。

7月、朝と夜はまだ耐えられる気温で、昼はもう暑いです。しかしどこにもクーラーなどありません。学校にもありません。扇風機はあるので、遠慮せずガンガンつけましょう。
7月末、夜も暑い日が増えます。朝はひんやりしているので、学校に行く時間と帰る時間との気温差がものすごいです。
蚊がいなくなるならなんだってする、と思えるくらいに蚊が多いです。
ハンディ扇風機はマックス、充電しっぱなしで耳栓+アイマスクで蚊対策は完璧です。
この頃から美術館もレストランも暑いので外出先では常に汗だくです。教会だけは驚くほど涼しいです。

8月、もう完璧に暑いです。とにかく暑い。逃げ場などありません。
8月中旬、40度に迫る日がありましたが、この日の日差しはナイフのようでした。みんなサングラスをかけています。
夜も暑いのがもう我慢ならないんですよね。
扇風機で乗り切るしかありませんが、なんといっても蚊が多い!冗談抜きで一日10匹は叩き潰していました。
でも湿気がないためか、不思議と日陰はまだマシなんです。暑いのは暑いです。

9月、まだ夏。
日中はまだまだ暑い!蚊もまだまだ元気です。叩きまくりましょう。
朝もまだまだ暑くて、日差しも厳しいです。
9月中旬の夜は風があると寒かったです。ここから少しずつ秋が訪れます。
9月下旬、夏は終わったか、という印象の気温でした。
もちろん昼はまだまだ服装によって暑いこともありますが、夜は何か羽織っておかないと寒かったです。
蚊はまだまだいます。
この頃、気温差がえげつないので風邪をひかないようにしましょう。私も一瞬体調を崩しかけました。10月になればもう暑さの心配はしなくていいです。
10月中旬の朝はもうすっかり寒いので、私は10/15にはヒートテックを着ていました。
この辺りで辛い夏は終わりです。お疲れ様でした、今度は冬に備えましょう。
ちなみに蚊は冬でも全然います。毎日ぶっ叩いていました。

フィレンツェの気温について詳しいサイトがあるので、貼っておきます。
フィレンツェの平均気温

 ペルシアーナ

フィレンツェの窓はガラス窓とペルシアーナという鎧窓の二重構造です。基本的に網戸はなし!


・窓とペルシアーナの様子。網戸はありませんね。

こんなのいいからクーラーをつけろ!と思うんですが、立地さえ良ければこれで涼しい環境が作れるようです。
このペルシアーナは風は通すが日光は遮る構造で、部屋の温度の上昇を抑えるというしっかりした役割があるんですが、そこまで劇的な効果は感じられず、普通に暑いです。
使い方としては、気温の高い夕方までガラス戸は開けてペルシアーナは閉めておいて、夜になったら全部開けて冷たい空気を入れる、というものです。
私の部屋は建物の構造上、奥まったところにあったので風が全く通らず全然涼しくなかったです。トイレに続く部屋は風が通ってて涼しかったです。

ガラス戸を開けるだけだと風は全て通らないので、風を通す時は窓を全開にします。
これ、ほんと嫌だったんですが、窓を全開にすると、部屋が外から丸見えになります。
私の部屋は2階にありましたが、向かいのおばあさん家族の部屋と繋がってるんじゃないかと思うほどに丸見え状態でした。


・車が止まると本当につながります。この見切れている右側に向かいの家の窓があって、おばあさんと目が合います。週末はここでパーティーが開かれ、シャワールームからその人たちと目が合います。

そもそも私の部屋にはしっかりしたカーテンがついておらず、薄〜い布が吊るされていただけでした。この布はあってないようなもので、窓を開けていると風でどっかに行ってしまうか、隙間から丸見え状態です。
もちろんかは入り放題。

イタリア人というかフィレンツェの人は全員この窓の効果を知っているのか盲信しているのか、毎日窓を全開にしているため気にしていないようですが、私がパソコンで作業していると隣のおばあさんと目が合うんです。耐えられますか?
一階で窓を開けている部屋は、歩道からも部屋の中が丸見えです。
となるとペルシアーナは閉じて、ガラス窓だけ開けるわけですが、これだと全く風が通りません。
私の大家はかなり細かい人で、定期的に部屋が掃除されているか確認しに来ていたんですが、窓を閉めているとめちゃくちゃ注意されました。
壁が湿気でカビが生えて黒くなるから窓を開けろと言うのです。従うふりをして、大家が帰ったらすぐに閉めてました。冬は寒いので閉めっぱなしにしていたら実際窓枠に沿ってカビが生えました。でも冬に窓を閉めないなんて無理ですから、どうしようもないと思います。

とにかく、フィレンツェの夏を生き抜くためにはこの不便な窓を使いこなす必要があります。

 蚊の問題

フィレンツェには蚊がめちゃくちゃいます。体感で言うと日本の10倍くらいいます。この厄介な害虫はもちろん家にも大量に入ってきます。
先述の通りクーラーがないので、窓を開けて涼しい風邪を取り入れるより他なく、この時にガッツリ蚊が侵入してくるんです。
こいつらはアルノ川や溝、水溜りで増え、民家に侵入します。

大家から何度も何度も窓を開けろとしつこく言われていたんですけど、もう本当に蚊や虫が嫌だったのでペルシアーナは開けませんでした。
それでもしっかり蚊は入ってきます。というか閉めててもハエもハチも入ってきました。なぜ網戸がないんだ!?
クーラーが無いのはまだわかります。
室外機の問題(とはいえ街には普通に置いてある)や工事の問題(TVの線が壁を貫通しているので、できないことはないはずですが)があると言うのはわかります。
が、歴史地区だろうが網戸はいますぐにでもつけられるはずです。
私の部屋にはなかったのでこのように書いていますが、一応大聖堂付近の中心街のアパートには網戸がある部屋もありますし、クーラーがある部屋だってあります(めちゃくちゃ家賃が高い)。

蚊は二種類確認できました。
日本で言うアカイエカ(※おそらく。薄いオレンジのような色の奴)と、いわゆるヤブ蚊(黒くて白の縞模様がある奴)です。
アカイエカがやはり圧倒的に多くて、刺されると普通に痒いです。
なんとフィレンツェではムヒなどが売っておらず、病院に行かないともらえないと学校で聞きました。
なので必ず持っていくようにしてください。

対策グッズ


・エッセルンガの害虫対策コーナー。ガッツリ食品のコーナーにあります。

蚊の対策グッズですが、はっきり言ってほぼ無意味なんですがスプレーは使い方によっては有効です。
一番頼れるのは両手でぶっ叩くことです。
コンセントに刺すタイプの商品もかなり売っています。

・置くだけタイプ

この「VAPE」ですが、高い割にまぁ〜役に立たず、これを窓際のコンセントに設置していたんですが、全然入ってきます。
でも流石にこれの至近距離には近づかないようで、これがあると夜蚊に起こされにくいという人もいました。なので一個くらいはあってもいいかもしれませんが、カートリッジは交換式なのでランニングコストに注意しましょう。
おすすめは液体タイプではなくカードタイプ。理由は液体タイプはカートリッジが高いからです。


・カードタイプのカートリッジ。一枚で多分二、三日は持ちますが、毎朝出かける前に本体ごとコンセントから抜かないと、薬剤がすぐに切れてカードが真っ白になります。

スプレータイプ

スプレーは一番右の紺色のものがおすすめです。こんなんでも500円くらいします。どこでも売ってるので、安いところで買いましょう。TIGOTAなどの薬局では3ユーロくらいで売ってたのでそういうところが一番安いかも。
かなりの種類を試しましたが、高いからいいというわけではなく、安いやつで十分でした。
この緑のスプレーは地球に優しいとかで高くなってます。つまり蚊にも優しいのか?と思って買いませんでした。
環境に配慮してる感じのマーク(木とか緑の)があるものは高いので、効果を期待している場合は注意しましょう。

スプレーは直接振りかけるよりも周りから責め立てるように振りかけると有効な気がしました。
止まっている蚊がいたら直接叩き潰すか(壁は汚れます)、手に空洞を作って叩いて気絶させてから処理しましょう。
この一年で蚊を気絶させるのがかなり上手くなりました。当たらなくても思いっきり叩いて上手くいくと地面にポロッと落ちるので、紙でつまむなどして殺してから捨てましょう。
この要領で行けば、一日5〜10匹くらいは倒せます。
止まっている蚊にスプレーをかけるとガス圧で吹っ飛んでいってダメージにならないので、遠くからじわじわ振りかけていきましょう。上に上に追い詰めると逃げ場を失ってポロッと落ちてきます。
ハエには一切効きませんでした。クモにも蜂にも効かなかったです。でかい害虫は窓から出ていくように誘導するか、もう物理攻撃で処理してください。

 暑さ対策

まずはなんといっても扇風機。
これさえあれば寝る時は大丈夫です。蚊も風で寄って来れず、耳元でブンブンされることはありません。足は刺されます。
何度も言いますが、ニトリのハンディ位扇風機が最強です。⇨留学の持ち物はこちら。
部屋でパソコンや他の作業中もずーっとつけてました。

シャワーを浴びる。
帰ったらすぐにシャワーを浴びていました。
ほぼ水くらいの冷たさでも大丈夫です。洗顔と石鹸でさっと全身を洗えば、完全に回復します。
頭を洗うともう外に出たくなくなると思うので、頭を洗うのはいつものシャワーの時間でいいと思います。
数時間すると部屋の中でも汗だくになると思うので、またシャワー。これの繰り返しで夜までひたすら耐えます。
夜になれば、あとは風さえあれば余裕で過ごせます。

 注意点

死ぬほど汗をかくと思うので、水分補給は適切に行ってください。
学校に水筒を忘れていくと本当にきついです。
私の学校は自動販売機がありましたが、ないところもあるので水筒は必ず持っていきましょう。あと小銭!忘れないように。

書くほどのことでもないかもしれませんが、夏はヨーロッパ諸国はバカンス期間に突入するので、観光客やバカンス客が爆発的に増えます。
もちろんそこに関連する犯罪にも注意して欲しいんですが、ここで注意したいのがお店もバカンスに突入するということです。
夏場は土日休み、とか8月の長期休みは全部休み、とかはザラにあります。例えば観光を夏に組むとどこも店が開いてないということもあり得るので、お店や美術館が開いているかどうかはしっかり確認しましょう。

まとめ

夏は普通に暑い
フィレンツェの夏は日本よりもカラッとしていて湿気が少ないので、日本より過ごしやすいと言えなくはないです。
でもクーラーがほとんどの家にないので、人によっては日本よりも体感的には苦しい夏になるかもしれませんが、言い換えればクーラーなしで過ごすことができる程度です。

窓を使いこなそう
ほとんどの窓にはペルシアーナ(鎧戸)がついているので、それで日差しをカットして風を通す方法が一般的なようです。
昼間は窓を開けたら明るいんだから電気をつけるなと言われていました。当然外から丸見えになるし、蚊や虫は入り放題になるので従いませんでした。

蚊は諦めよう
現状フィレンツェで有効な対策はありません。物理的に対応するしかないので、慣れましょう。

 

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